比嘉真美子、5位で五輪ぐいっ「得るものがたくさんあった」


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン最終日(2日、米サウスカロライナ州チャールストンCC)

 首位と1打差の3位から出た比嘉真美子(25)=TOYO TIRE=が2バーディー、5ボギーの74と伸ばせずも、初出場の日本人では、初のアンダーパーで回る通算3アンダーで最高位の5位と健闘。日本女子2人目のメジャー制覇はならなかったが、来年の出場権を獲得した。2020年東京五輪切符につながる世界ランクを49位から41位へ大幅に上げ、夢舞台へ一歩前進。6位から出て70で回ったイ・ジョンウン6(23)=韓国=が初優勝を飾った。

 快挙には届かなかったが、比嘉は笑顔で4日間を締めた。メジャー制覇の夢や期待を背負って迎えた最終日。1打差を追ってスタートしたが、第3ラウンドまで好調だったパットも決めきれず、13番までに5つのボギーで優勝争いからは脱落。「チャンスにつかないし、ボギーが続いた。苦しいゴルフだった」と振り返った。

 それでも14番でこの日初バーディーを奪い、16番では10メートルをねじ込んでバーディー。懸命に上位をうかがった。今大会72ホール目の18番パーパットを沈めると、拳を握って頬を緩めた。「4日間を通して上位で戦うことができて、得るものがたくさんあった。何よりもゴルフがもっと好きになった」と充実感をにじませた。通算3アンダーは、初出場の日本人初のアンダーパーでのフィニッシュで、昨年の畑岡奈紗の10位を上回る過去最高5位と健闘した。

 東京五輪出場を「夢で終わらせたくない」と語ってきたが、加算ポイントが国内大会の2~3倍といわれる海外メジャーの今大会で5位。3日発表の最新の世界ランキングで、49位から41位に大幅アップし、同7位の畑岡、28位の鈴木愛に続く出場圏外の3番手につけている。夢の舞台にまた一歩近づいた。

 優勝賞金約1億800万円の今大会で、国内ツアー優勝と同等の約1929万円を獲得。トップ10入りに与えられる来年大会の出場権も得た。五輪出場は来年6月30日時点の獲得ポイントで決まるため、20年6月開催の来年は五輪出場へ最後のビッグチャンスとなる。「もっと強くなった比嘉真美子として戻ってこられるように」。次戦は7日開幕のヨネックスレディス(新潟)に出場予定。「毎週優勝できるように」と、夢舞台へ走り続ける。

 ◆婚約者の十両・勢がねぎらい

 比嘉と婚約中の大相撲の十両・勢(伊勢ノ海)が、フィアンセの活躍をねぎらった。この日、東京・両国国技館で行われた研修会に出席後、取材に応じ、「暑い中、本当によく頑張ってくれた」と、笑顔で話した。大会前には「ケガなく楽しんできて」と、LINEでメッセージを送り激励したという。「帰ってきたらお疲れさまと言いたい」と話し、再会の日を心待ちにしていた。

 ◆ゴルフ東京五輪への道 男子は20年6月23日、女子は同30日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を獲得。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人が出られる。五輪は男子が20年7月30日から、女子が同8月5日から、ともに4日間、埼玉・霞ケ関CCで72ホールストロークプレーの個人戦で競う。

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