◆ゴルフ 日本女子アマチュア選手権最終日(28日、愛媛・エリエールGC松山)
3打差3位から出た古江彩佳(19)=JGAプレミアム会員=が、前代未聞のアクシデントに見舞われた。4打差を追った10番プレー中に3ウッドを日本ゴルフ協会(JGA)幹部の乗ったカートに折られ、精神的な動揺もあって通算12アンダーの5位に終わった。2打差2位で出た西郷真央(17)=TEAM KGAジュニア=が5バーディー、1ボギーの68で回り、16アンダーで初優勝。国内男子最多94勝の尾崎将司(72)=I.S.T=のまな弟子初の日本アマタイトルを獲得した。
“千葉生まれの西郷どん”が歴史を塗り替えた。最終18番。西郷は1・5メートルのパーパットを沈めると、きょとんとした表情で喝采を浴びた。会場内にリーダーボードがなく「うれし泣きするかなと思っていたんですけど、(自分が首位と)分からない」と苦笑い。安田ら輝かしい実績を持つ“ミレニアム世代”を打ち破り、21世紀生まれ初の大会優勝者となった。
最終日最終組で2打差を追った。「追う方が気持ちは楽」と冷静にプレー。得意のアイアンで5番、8番で1・5メートルにつけて伸ばし、10番で7メートルのバーディーパットを決めて単独首位に立った。「精神的に強くなれた」と優勝杯を掲げた。
ジャンボ尾崎アカデミーの1期生だ。父が尾崎の大ファンでレッスン会に応募したことをきっかけに、約2年前に弟子入り。「体力不足でスコアが出なかった」とジャンボ流トレで体幹を鍛え、今大会4日間で22バーディーを量産。ジャンボは「西郷どんはやるとは思っていたけど、日本女子アマでの優勝は大したもの」と、まな弟子では初のアマ日本タイトル獲得をたたえた。
日本女子オープン初の切符を獲得し、プロテストは最終(11月)からとなった。「夢は永久シードを取ること」と西郷。令和のニューヒロインが誕生した。(榎本 友一)
◆西郷 真央(さいごう・まお)2001年10月8日、千葉・船橋市生まれ。17歳。父・雄史さん(52)の影響で3歳でゴルフを始め、14年全国小学校選手権優勝。16年世界ジュニア選手権6位。17年報知ジュニア優勝。国内女子ツアーは15年大東建託・いい部屋ネットレディス以降5戦に出場も予選通過なし。平均飛距離は240ヤード。得意クラブはアイアン。158センチ、57キロ。血液型AB。家族は両親と姉。