◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権第2日(6日、鹿児島・いぶすきGC)
ツアー通算14勝で選手会長の石川遼(27)=カシオ=が6バーディー、2ボギーの67で回り、通算10アンダーで首位をキープ。7日は第3ラウンド(R)と最終Rの36ホールを行うことが決まった。5月以降は腰痛防止のための筋トレで肉体改造に励み、4年ぶりのメジャー2勝目へ意欲。同じく最終日に36ホールを実施し、15歳で史上最年少優勝を飾った07年マンシングウェアKSBカップの再現を目指す。
選手会長として4人目のメジャー制覇への執念が、夏日の鹿児島を一層熱くした。首位で迎えた17番パー3。石川が7アイアンで放った第1打は、グリーン左手前のペナルティーエリアを示す赤線上で着弾し、手前に2バウンドして池へ消えた。赤線を越えていれば池付近から第3打を打てる。競技委員とともに約5分間、映像も使って検証が行われたが、結果は越えていなかった。ダブルボギーのピンチにも、後方から打ち直した3打目を3メートルへ寄せた。ボギーパットをねじ込むと右拳を突き出し、天を見上げて大きく息を吐き出した。
「あのボギーだけで1日分の疲れが出ましたね。第1打は池が見えていなくて、6アイアンか7アイアンか迷った。追い風と思って、全く届かなくてジャッジミスでした」。続く18番で2オン2パットのバーディーを決め首位に返り咲いた。フェアウェーキープ率は57・14%で全体59位。パーオン率も61・11%の同96位だが、2R合計13バーディーは最多だ。
4日の第1日が大雨で中止となり、7日の最終日は36ホール決戦に。自身にとって、ツアーでは07年の初V大会以来だ。「1日36ホールは嫌いじゃない。最後まで集中力を保って回れるか。体力勝負。トレーニングをしてきた成果を出せれば」とうなずいた。
5月の中日クラウンズ初日に腰痛が再発し、第2Rでプロ12年目で初の棄権。その後はバーベルなど器具を使ったトレーニングを導入した。90分を週3日。ウェアの上からも隆起した筋肉が目立つようになり「腹筋、背筋、でん部の大きな筋肉は大事。僕は(体の)後ろの部分の筋肉を重点的に鍛えていて前側は腹筋だけ。腰は8~9年ぶりに良い状態」と実感する。今週も豪雨で練習できない中、ホテルの自室でトレーニングに励んできた。たくましさを増した腕で、15年の日本シリーズJTカップ以来のメジャー2勝目をつかむ。(榎本 友一)
〇…大会を主催する日本プロゴルフ協会の倉本昌弘会長(63)が第2R終了後、7日の36ホール実施を発表した。午前6時から73選手を25組に分けて第3Rを行い、30分の休憩を挟んで組み替えなしで午後5時35分までに最終Rを行う。終わらなければ8日の予備日に残りを実施。選手会長だった92年に日本プロを制した倉本会長は「石川君が上位に残ってくれて良かった。若い人が体力的にも有利」と話した。
◆石川の初優勝 2007年5月のマンシングウェアKSBカップ(岡山・東児が丘マリンヒルズGC)の第1ラウンド(R)が強風で中止に。最終日は41人で決勝Rの36ホールを実施した。アマチュアの石川は第3Rを69で9位に浮上すると、最終Rは66で通算12アンダーとし、7打差23位から大逆転優勝。36ホールのプレー時間を確保するため第3R、最終Rは同じ組のままプレー。優勝争いの重圧を感じることもなく、15歳245日のツアー史上最年少Vを飾った。