◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ 第1日(22日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)
14年大会王者の石川遼選手会長(27)=カシオ=が7バーディー、2ボギーの67をマーク。ツアーでは自身初の2戦連続首位発進を決め、同じく初の2戦連続優勝に向け、最高の滑り出しを切った。国内初披露となるブランドの真っ黒いウェアに身を包み、今季初の帽子姿でのプレーで大勢のギャラリーを魅了した。すし石垣(45)=ゴルフパートナー=は70で回り、3打差の8位につけた。
曇天の北の大地で“新しい石川”を披露した。7週間ぶりのツアーで緊張もあり、出だしの10番はドライバーで右の池に入れてボギー発進。続く11番も3パットのボギー。しかし、196ヤードの16番パー3の一打で状況を一変させた。
「右からの強い向かい風に1番手大きいクラブで、フェード目に風にぶつけて打った」。6アイアンで「飛距離を抑えて」ピン左2メートルへ運び、初バーディー。「(7月の前戦からの)1か月半の間に、短いクラブの課題でやっていたショット。その応用で打てた。全体の評価を90点としたら、8割くらいがあのショットのおかげ」とうなずいた。
自己分析では「これまでは抑えたショットを打つと、次のショットに悪影響が出ていた。鋭角にクラブが入りやすくなって、スライス回転が入ってショートしやすくなっていた」というが、この日のパーオン率は77・78%で全体2位。不規則な風が吹く中、高い数字を残した。
ウェアも今大会限定で一新した。9月から国内展開を開始する「トラヴィスマシュー」ブランドの上下黒のウェアを国内初披露。今季初めて、サンバイザーではなく帽子をかぶってプレーした。南カリフォルニアの砂、太陽、ライフスタイルなどからサーフィンの聖地で生まれたアパレルブランド。大人でシンプルな世界観で着心地を重視しており、「すごく新鮮な感じ。黒は深くて重い感じ。今日も85くらいだったら、メーカーの方に何て言ったらいいのかすごく心配でした」。ファッションへのこだわりも強い石川は新たな装いで観客を驚かせ、最高の結果で応えてみせた。
日本ツアーでの首位発進は過去7度で、4戦で優勝している。「前の試合の優勝もあり、渋野さんのこともあって、いろんな意味で注目される1週間」と石川。2戦連続Vという新たな歴史をつくり、選手会長として男子ツアーを盛り上げる。(榎本 友一)
◆石川と長嶋茂雄招待セガサミーカップ 昨年まで7度の出場で08年に3位、09年10位、11年2位、12年3位、14年優勝と5度のトップ10入りと抜群の相性を誇る。14年大会は第1Rを3アンダー、69の12位で滑り出すと、第2Rは71で11位。第3Rは67で3位へ浮上し、2打差で出た最終Rも67で通算10アンダーで小田孔明と並び、プレーオフを3ホール目で制してツアー通算11勝目を挙げた。