石川遼、通算16アンダーで完全Vに王手 表彰式欠席の長嶋さんに雄姿届けたい


5番でバーディーを決めギャラリーの声援に応える石川遼。通算16アンダーで単独首位をキープする(カメラ・宮崎 亮太)

5番でバーディーを決めギャラリーの声援に応える石川遼。通算16アンダーで単独首位をキープする(カメラ・宮崎 亮太)

 ◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待 セガサミーカップ第3日(24日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)

 初日から首位を走る石川遼(27)=カシオ=が5バーディー、ボギーなしの67をマーク。通算16アンダーで、2位に3打差をつけ、3度目の完全優勝に王手を掛けた。最終日に2位と2打差以上の単独首位で迎えた大会は6戦全勝で、データ上では自身初の2戦連続となる通算16勝目は“当確”。体調面を考慮し、表彰式を欠席する大会名誉会長の長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(83)に雄姿を届けることも誓った。C・キム(29)=米国=、堀川未来夢(26)=Wave Energy=が13アンダーの2位。

 雄大な青空の下、石川はショットの乱れた後半、懸命に耐えしのいだ。11番はドライバーショットが右の池に入るも、残り155ヤードからの9アイアンでの第3打をべタピンにつけてナイスパー。13番も、残り250ヤードからの2アイアンでの第2打でグリーンを狙い、グリーン右手前の池につかまった。70ヤードからのウェッジでの第4打を1メートルにつけて、執念のパーセーブで大歓声を浴びた。ティーグラウンドがピンまで282ヤードに設定された17番では、冷静にアイアンで刻んで4メートルのバーディーパットを沈めて後続に3打差をつけた。

 「すごく難しい一日でした。2位との差が少し開いてのスタートで緊張もあって。考えれば考えるほど重圧になる。持っている技術で、ノーボギーでしのいだ今日一日のゴルフは成長させてもらった。明日はすごい楽しみです」と会見場で大きく息をはき出した。

 日本ツアーでは2打差以上の単独首位で迎えた最終日は6戦6勝だ。得意のはずだが「決して逃げ切った感じはない。首位はあまり居心地がよくないんですよ。自分次第で世界が変わって見える典型的な例。自分の中でドラマが始まっちゃうんですよね。ジャンボさん(ツアー歴代最多94勝の尾崎将司)が首位にいたら皆、追いつくのは難しいと思うでしょうけど、遼ならチャンスあるな、と思われている」と冗談交じりに胸の内を明かした。

 とはいえ、5年ぶりの大会2勝目を届けたい人がいる。今月12日、長嶋大会名誉会長の今大会欠席が発表された。ミスターは最終日をテレビ観戦予定で「見られる立場というか、エンターテイナーとして誰も追いつけない存在の方だと思うので。その長嶋さんにすごいな、と思ってもらうことは難しいと思いますが、少しでも良いプレーを見せられるように頑張ります」と石川。第10回記念大会だった14年は優勝し、表彰式でともに笑顔でトロフィーを掲げた。最高の“メークドラマ”で15回記念大会を再び制す。(榎本 友一)

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