◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス第1日(29日、北海道・小樽CC=6650ヤード、パー72)
2週ぶりツアー復帰となったAIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は、4バーディー、3ボギーの1アンダー、71で19位発進。大会前に急性副鼻腔(びくう)炎を発症した影響で調整不足が心配されたが、後半7番から3連続バーディー締めと底力を示した。丹萌乃(22)=ディライトワークス=が5バーディー、ボギーなしの5アンダー、67で単独首位。
渋野は途中までもどかしい展開を強いられた。前半17番で3パットのボギー。「クソ野郎(笑い)」と気持ちのスイッチを入れ直した18番でバーディーを奪ったが、1、3番のボギーで一時は2オーバーとなった。
「オーバーパーを打っても仕方ないな」と思いがよぎったが、最後の3ホールで意地を見せた。7、8、9番で3連続バーディー。全英で見せた後半の強さは健在で、「アンダーに戻せたのは少し予想外」と振り返った。連続イーブンパー以上のラウンド(R)を25Rとし、ツアー単独2位となった。
27日に急性副鼻腔炎が判明。38度5分の高熱で練習ラウンドを回避し、点滴治療を受けて28日のプロアマ戦で復帰した。調整不足で予選落ちも覚悟していたが、この日は「体調は多分万全」と強調。グリーンを外したのは3ホールだけと、急ピッチで調子を上げた。青木翔コーチ(36)は、「『今朝やっと体が動き出した』と(本人が)言っていた。最後しっかり3つ、気持ちでバーディーを取った」と評価した。
2週前に3位に入ったNEC軽井沢72後は、地元・岡山で1週間休養した。ソフトボールが大好きな渋野の元に、関係者を通じて同女子日本代表メンバーのメッセージが書かれたジグソーパズルが届いた。「こんなに完成が楽しみなパズルはない」と心躍らせて組み立てた。山田恵里(35)、藤田倭(やまと、28)ら選手たちからの「おめでとう! 笑顔が一番」などの寄せ書きに感動した。
練習を終えた帰り際には、所属事務所がファンサービス用に作成し、この日からお披露目となった自身の写真入りステッカーをファンに手渡した。「アンダーで回れたことで明日へ望みはある」。過去3勝(日英)を挙げている得意の4日間大会で4打差を追う。(岩原 正幸)