◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック第1日(5日、山梨・富士桜CC)
濃霧で開始が1時間遅れたため、3人が競技を終えられなかった。3年ぶりに出場した2009、10年大会覇者の石川遼(27)=カシオ=が6バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの68をマーク。フェアウェー(FW)キープ率は84・62%とティーショットが安定し、3アンダーとして暫定で首位に3打差6位と好発進した。チャン・キム(29)=米国=が6アンダーで暫定首位。
石川の放った球は、真っすぐにぶっ飛んでいった。出だしの10番でFW中央を捉え、11番、12番も真ん中に運んだ。前半はFWキープ率100%をマークし、4アンダーの単独首位で折り返し。後半も3番で1メートル、6番で2メートルを沈めて伸ばした。
唯一、第1打をミスしたのは最終9番。ティーショットを大きく右に曲げた。左足下がりから残り145ヤードの第2打、7アイアンを振り切ると珍しく「アーッ!」と叫んだ。球は池に吸い込まれダブルボギーだったが「攻めた結果なので」とショックはない。「この(難関)コースであのドライバーが打てれば、だいぶバーディーが取れる。いいスタートを切れた」と前を向いた。
一日を通しドライバーショットが絶好調で、FWを外したのはパー3を除く13ホール中、6番と9番の2回だけ。FWキープ率は84・62%をマークした。“日本一曲がらない男”と言われる稲森佑貴が今季1位の平均68・32%で、それを大きく上回る数字だ。「ドライバーが良かったので、きょうは1位のスコアでもおかしくないね(笑い)」と喜んだ。
好調の要因を問われても「たまたま波が合ったのかな? 特に何も変えていない」と平然。ただ今季1勝目を挙げた7月の日本プロとは体つきが違う。ギャラリーが「まあ、遼くん別人みたいね」と驚くほどだ。2週前に3キロ増量したが、ハードなトレーニングを続けて筋力と体形を維持し、ショットの安定性につなげている。
暫定6位と好スタートを切り「10位以内で上がれれば残り3日間、優勝に向かっていける」と手応えを見せた。10代で連覇を果たした得意コースで今季3勝目を狙う。(宮下 京香)