“スマイルシンデレラ”徹底マークも表情は曇りがち プレッシャーから解放されたシブコスマイルに期待 


9月13日、3オーバーで連続オーバーパーなしの記録更新とならず、悔しそうな表情を見せる渋野日向子(カメラ・渡辺 了文)

9月13日、3オーバーで連続オーバーパーなしの記録更新とならず、悔しそうな表情を見せる渋野日向子(カメラ・渡辺 了文)

 シブコフィーバーが関西に襲来した。兵庫県・チェリーヒルズGCで行われた女子ゴルフツアーのメジャー第2戦、日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯で、注目の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=を取材した。AIG全英女子オープンの優勝から初めての関西での試合で、地元岡山の隣ということもあり、“スマイルシンデレラ”を一目見ようと大会を通じて3万5719人ものギャラリーが会場に押し寄せた。

 私も久々のトーナメント撮影、こうなれば自分も徹底マークの覚悟だ。笑顔でプレーする渋野の撮影を楽しみにしていた。

 渋野は前週の試合を欠場し休養と調整にあて、週末には大好きなソフトボールの日本リーグ女子、ビックカメラ高崎の試合を観戦した。もちろんお目当ては敬愛するレジェンド、エースの上野由岐子(37)だ。スタンドで観戦する渋野は、一つ一つのプレーに拍手を送るなどファインダー越しにも深いソフトボール愛が伝わってきた。テレビ収録では上野との対談も実現したそうだ。

 リフレッシュして試合に臨んだはずの渋野だったが、試合ではなかなか思い通りのプレーが出来ず表情も曇りがち。我々メディアは笑顔だけを切り取って抽出するが、実際はショットを終えるとすぐにサングラスをかけたり、大好きな駄菓子を口にすることも無く、笑顔も少ない感じがした。

 初日は何とか連続オーバーパーなしの記録を更新するも、2日目にあっさり記録は途絶えて「気持ちの疲れ」と落胆。結果は通算1アンダー33位、優勝した黄金世代のライバル・畑岡奈紗(20)=森ビル=に17打差を付けられる完敗。そんな自身を「40点、ポンコツ」と評したが、実力があってこその全英女子オープン優勝、日本ツアー2勝だ。

 全英から帰国直後の会見では「注目される事は嬉しい、無視されるほうが辛い」と語っていたが、一挙手一投足が注目され少なからず重圧を感じていてもおかしくはない。多くのファンやメディアが求める渋野像と、自身の調子とのギャップにも苦しんだろう。いつか周囲に平穏が訪れ、プレッシャーから解放されて、以前のような屈託のないシブコスマイルをたくさん見せてくれる事を願う。

 10月24日~27日にはNOBUTA GROUPマスターズGCレディースが兵庫県で行われる。その際には最高の笑顔を撮影したい。(記者コラム・渡辺 了文)

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