2019JNJGインターナショナルジュニアクラシック 大会レポート


■ 大会最終日

 気温が30℃を超え、強風が吹き荒れる厳しい気象条件のもと大会最終日が行われた。
 女子の部に出場の上田さんは3日目まで2位。逆転優勝を目指したが、慣れない4日間競技に加え、条件の厳しい環境下で1バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの78、4日間トータル289、1オーバーで女子の部2位、15歳女子の部で見事優勝を成し遂げた。
 同じく女子の部に出場の森田さんはこの日1バーディー、6ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギーの82、4日間トータル310、22オーバーの20位タイで4日間を終えた。
 男子の部に出場した鵜瀬くんは3ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギーの80、4日間トータル324、36オーバーの98位タイ、同じく男子の部に出場の清水くんは3ボギーの75、4日間トータル306、18オーバーの44位タイで競技を終えた。

 

◆4選手のコメント
・鵜瀬璃久くん
 「反省ばっか。小技の技術不足」と海外に渡航すること自体が初めての鵜瀬くんにとって、日本とは違う芝質に慣れないまま4日間を終えた。
 「芝が生えそろっていない箇所などで海外の選手のアプローチの引き出しの多さを知り、勉強になった」と想像もしていなかった結果も前向きに捕らえた。また外国人選手とラウンドすることで「英語力の低さを実感した」とゴルフ以外にも課題が!
 今後は進学し、ゴルフ部に入部し「日本アマに出てみたい」と目を輝かせた。

 

・森田彩音さん
 4日間を振り返り、「最終日はアンダーを目指していた」と意気込むも(82ストローク)結果が伴わず落胆。(10番スタートで)15番くらいから「疲れちゃった」と前半でバテた。この日は気温も高く、強風が吹くなか、初体験となる4日間競技の4日目。「練習ラウンドを含めて5日連続でラウンドしたのも初めてで疲れた」と疲労困憊。「体力のなさを痛感しました」と新たな課題を見つけた。また飛行機に乗るのも初めてというように整備の行き届いた日本のゴルフ場にはない“良くも悪くも”荒れたゴルフ場で得るものもあった。「芝が薄く土が見えるところをアイアンでどうアプローチをしていいか分からなかった」とパターやウッドを駆使して必死で工夫した。「今後に生かせるかも」と直近の目標に掲げる高ゴ連、日本ジュニアの全国大会を見据えどう進化を遂げるか楽しみだ。

 

・清水拳斗くん
 「パターがひどかった」と開口一番。4日間のパーオン率が7割を超えるショット力を生かせなかった。「苦手意識はないのに、結果的にパターが苦手なのかな」と落胆。海外での競技は4回目だが、うち3回は小学1年から3年までに出場したためほとんど記憶がないそう。“実質”初めてになるが、「4日間試合ができるのは楽しかったし、みんなで共同生活するのも新鮮で良かった」と大会を十分に満喫した。
 来年は居を構える埼玉県の代表として国体に出場したい意向でこの大会とは例年日程は被ってくるが「それでもまた出場できるように報知ジュニアには出場します」と良い経験になったようだ。

 

・上田澪空さん
 14歳という年齢は本来であればひとつ下のカテゴリーに該当する年齢だが、ひとつ上の15歳から17歳の女子の部で堂々の2位、“15歳”の女子の部では見事優勝をはたした。
 出場した女子のなかにはオーストラリア代表や国内でも有力といわれる選手が顔を揃えるなかでのこの成績は見事だった。十分満足しているのかと問うと「1日~3日目までは最高。4日目は恐怖を感じた」という。後半途中の12、13番をパットで左に引っかけるミスで連続ボギーとした時からだ。たまに出る“クセ”で「切り替えれば良かったけど・・・」と気になりだしたらインパクトの瞬間に“パンチ”が入る悪循環。普段も最終組に入るとプレッシャーで自滅することが多いようだが、今回も払拭できなかった。「プレッシャーに耐える精神面を鍛えたい」と最終18番ホールで競技が終わった直後のグリーン上で涙が頬を伝い悔しさをにじませた。
 今回は共同生活のなかにもそれぞれ選手によってスタート時間が大きく異なることがある。(実際この日は鵜瀬くんは午前7時5分だが、上田さんは午後12時55分)自分でスタート時間から逆算して起床時間から朝食時間など調整するのは今回が初めてで勉強になった。
 将来の夢は「賞金女王になること」、直近の目標は「日本女子アマ50以内、国体出場、プロトーナメント本戦に出場すること」と数多ある。今回味わった悔しさが夢を叶えるためのひとつのパーツになって欲しい。

 

ティショットを放つ鵜瀬くん

ロブショットでアプローチをする鵜瀬くん


トラブルショットもグリーンオン

14歳ながら大健闘の清水くん


10Hスタートホールでティショットを放つ森田さん

手引きカートをひきながらのラウンド。お疲れ様でした!


緊張のスタート前にJ・ニュートン氏(中央)を囲んで記念撮影する最終組のメンバー(一番左に上田さん一番右に優勝したキャシー・ポーターさん)

ティショットを放つ上田さん


表彰式風景

15歳女子の部優勝、女子の部2位で表彰される上田さん


表彰式風景2

4日間の競技を終え男女仲良く”大富豪”をする選手たち


トランプを手作りで製作


<最終日成績 男子148名、女子60名参加>
PAR721st2nd3rdFinal(現在の順位)
選手名部門10月1日(火)10月2日(水)10月3日(木)10月4日(金)TOTAL総合
上田 澪空15-17歳女子687271782892
森田 彩音15-17歳女子78737782310T20
清水 拳斗15-17歳男子76837275306T44
鵜瀬 璃久15-17歳男子80838180324T98
森田・清水ペア団体戦154(+10)156(+22)149(+27)1576167


■ 大会3日目

 最高気温が30℃に迫り快晴のなか、3日目が行われた。
 女子の部で初日から2位を守り続けている上田さんはこの日、5バーディー、4ボギーの1アンダー71と1つスコアを伸ばした。また首位のキャシー・ポーター(豪・クイーンズランド)も1アンダー71と同じくスコアを1つ伸ばしたため、6打差は変わらず2位のまま。最終日は逆転優勝を目指す。
 同じく女子の部に出場の森田さんは2バーディー、7ボギーの77とスコアを5つ、順位を3つ落とし17位タイとした。また男子の部で気を吐いたのが14歳の清水くん。この日はショットが好調で4バーディー、4ボギーのイーブンパー72でラウンドし順位も前日の85位から一気にジャンプアップし54位タイとした。また、未だ調子を取り戻せていない鵜瀬くんはこの日も3バーディー、7ボギー、1ダブルボギー、1トリプルボギー9オーバー、81と苦戦を強いられ、最終日は「このままでは日本に帰れない」と最終日の60台を目指す。

 

好調なショットを放つ鵜瀬くん

もはや必須!


軌跡の瞬間!

ボールの行方を見守る鵜瀬くん


スタート前、大会主宰者で豪州伝説のゴルファー、ジャック・ニュートン氏と記念撮影する森田さん

ジャック・ニュートン氏(右から2人目)が見守るなか、ティーショットを放つ森田さん


順番を待っている間の一コマ

この日はショットが好調。清水くん


ナイスショットを放つ森田さん

7メートルのバーディーパットを沈める上田さん


2位を堅守。上田さん


<第3日成績 男子148名、女子60名参加>
PAR721st2nd3rdFinal(現在の順位)
選手名部門10月1日(火)10月2日(水)10月3日(木)10月4日(金)TOTAL総合
上田 澪空15-17歳女子6872712112
森田 彩音15-17歳女子787377228T17
清水 拳斗15-17歳男子768372231T54
鵜瀬 璃久15-17歳男子808381244T104
森田・清水ペア団体戦154(+10)156(+22)149(+27)4596


■ 大会2日目

 早朝の肌寒い時刻に日本チームの大会2日目がスタートした。
 昨日のお昼頃のスタートとはうって変わり、鵜瀬くんの6時35分のスタートを皮切りにそこから10分ごとに森田さん、清水くん、上田さんの順で各組がそれぞれスタートした。
 初日2位の上田さんはこの日、5バーディー、5ボギーの出入りの激しいゴルフのなか、イーブンパー72と持ちこたえた。首位との差が6打差に広がるも2位を堅守。3日目からは成績順による組合せで女子の部の最終組で3日目をスタートする。
 同じく女子の部に出場の森田さんは前半を3ボギーと苦戦も後半に3バーディー、1ボギーと巻き返し、トータル73、1オーバーで順位を大きく上げ、14位タイとした。
 男子の部に出場の鵜瀬くんは本調子とはほど遠く、1バーディー、10ボギー、1ダブルボギーの83で101位タイ。初日に健闘した清水くんもこの日は不調に終わり2バーディー、9ボギー、2ダブルボギーの83と順位を大きく下げ85位タイとし3日目からの巻き返しを狙う。

 

早朝からのスタートのため辺りは霧で幻想的な風景

スタートホール。朝日に向かってティーショットをする鵜瀬くん


狙いを定める森田さん

ナイスショットをする清水くん


切れ味鋭いショットを放つ上田さん

ショットが復調した森田さん


この日は思うようなショットが出来ず順位を下げる清水くん

好調を維持する上田さん


2日目の夜は”ハンバーガーナイト”


<第2日成績 男子148名、女子60名参加>
PAR721st2nd3rdFinal(現在の順位)
選手名部門10月1日(火)10月2日(水)10月3日(木)10月4日(金)TOTAL総合
上田 澪空15-17歳女子68721402
森田 彩音15-17歳女子7873151T14
清水 拳斗15-17歳男子7683159T85
鵜瀬 璃久15-17歳男子8083163T101
森田・清水ペア団体戦154(+10)156(+22)31010


■ 大会初日

 春空の快晴のもと男子148人、女子60人が参加した「2019JNJGインターナショナルジュニアクラシック」の1日目が行われた。
 上田澪空さんは14歳にも関わらずひとつ上のカテゴリーの15歳から17歳女子の部にエントリー。今大会の同部最年少者は68ストロークの4アンダーで首位のキャシー・ポーターに4打差の2位と好発進をきめた。
 同じく女子の部に出場の森田彩音さんは78ストローク6オーバーの26位タイ、男子の部に出場の鵜瀬璃久くんは80ストローク8オーバーの89位タイ、清水拳斗くんは4オーバー46位タイとしてそれぞれ初日を終えた。男子の部の首位はヨルダン・ヤングで3アンダー、69ストローク。

 

JNJG初日_緊張のスタートまであと2分!清水くん

好調なショットで2位スタートの上田さん


豪快なティーショットを放つ森田さん

この日はショットが不調だった鵜瀬くん


<第1日成績 男子148名、女子60名参加>
PAR721st2nd3rdFinal(現在の順位)
選手名部門10月1日(火)10月2日(水)10月3日(木)10月4日(金)TOTAL総合
上田 澪空15-17歳女子68682
森田 彩音15-17歳女子7878T26
清水 拳斗15-17歳男子7676T46
鵜瀬 璃久15-17歳男子8080T89
森田・清水ペア団体戦154(+10)154T9


■ 練習ラウンド

 9月30日(月)、日本チームの4選手は同組サイプレスレイクスG&C(豪州・NSW州)で練習ラウンドをおこなった。
 オーストラリアでゴルフをするのが初めてという4選手は入念にコースをチェックしながら和気あいあいとプレーをしていると、途中カンガルーに遭遇し歓待された。
 またラウンド後には、外国人選手に混じりドライビングコンテストに出場。周りの視線が気になったのか男子はミスショットをするなか、今回日本チーム最年少出場の上田澪空さんは4選手中最長距離をマーク。会場は大いに盛り上がった。その後オーストラリア全土から集結した選手、日本含め10か国の選手らが一同に介したオープニングセレモニーが行われ、明日からの健闘を誓い合った。

 

気持ちよく練ランをこなす清水拳斗くん

バンカーからナイスショットを放つ鵜瀬くん


カンガルーが見守る!?なかアプローチをする上田さん

レジストレーションを選手自身が行う


ドライビングコンテストで好成績の上田さん

トラックマンで計測し画面左下が上田さんの飛距離(単位はメートル)


ドライビングコンテストでギャラリーが見守るなか豪快なドライバーを放つ森田さん

オープニングセレモニー


リーダーズボードに自分の名前があるこを確認する森田さん

鵜瀬くん


清水くん

上田さん


健闘を誓う4選手



■ 出発(9/28、29)

 羽田空港を28日の夜に出発し、翌29日の朝9時にシドニー空港に到着。そこから大型バスでオーストラリア全土から集まった選手と合流し大型バスに揺られること3時間、午後3時前にようやく今大会が開催される「サイプレスレイクスG&C」に到着した。 早速、今回お世話になる宿舎の部屋が割り当てられ、チーム日本は「712」号棟。 部屋の準備をそこそこに早速ゴルフクラブを持ってドライビングレンジに行き、移動で一日座りっぱなしだった鈍った身体をほぐしながら、和気あいあいと球を打ち込んだ。
 練習後はコース内のパビリオンで各国の選手たちと夕食を済ませた。
 翌日は練習ラウンドを朝8時30分から予定。

 

羽田空港の出国目ゲート前で検討を誓う4選手(左から上田澪空(みく)さん、森田彩音さん、鵜瀬璃久(りく)くん、清水拳斗くん

部屋番号は「712号室」


ドライビングレンジ風景(上田澪空さん)

ドライビングレンジ風景(清水拳斗くん)


ドライビングレンジ風景(鵜瀬璃久くん)

ドライビングレンジ風景(森田彩音さん)


1週間お世話になるアパートメント

主催者ボードの前で記念撮影