格付け企画「ホットリスト・ジャパン」


 ゴルフクラブの格付け企画「ホットリスト・ジャパン」が今年も進行中だ。日本で発売されている最新(昨年5月~今年4月発売)のモデルを総合的に評価する。4度目の今回は、主要25のメーカーとブランドからドライバー、パターなど6部門223モデルがエントリー。4月1日にゴールド(金賞)、シルバー(銀賞)の受賞クラブが発表される。企画ライセンスを持つゴルフダイジェスト・オンライン社の宮田卓磨・実行委員長(36)に今年の傾向を聞いた。(竹内 達朗)

  【ドライバー】(53モデル)
 今年のトレンドは「溝」「空気抵抗」「アジャスタブルの機能(カチャカチャ)の進化」だ。
 ブリヂストンJ815=写真右=、タイトリスト915などは溝によってヘッド自体をたわませ、スイートスポットを広げ、打ち出し角を上げるための工夫をしている。ピンG30=同左=はヘッド全体の空気抵抗を減らしてヘッドスピードを上げるため、クラウン部分に突起物を配置した。
 アジャスタブル機能について。近年、各メーカーが飛距離を追求するあまり、低・浅重心がはやった結果、ボールを上げられず困るゴルファーが急増。そこで重心の高さを変えられるキャロウェイ、重心を前後に変えられるミズノ、コブラ、ヨネックスが出てきた。本間ゴルフはアジャスタブル機能をつけていない。ツアープロの意見を取り入れて、あえてつけていないとのことだ。インパクト時にゆがむイメージを払拭させたいという。

  【フェアウェーウッド】(35モデル)
 近年の流れと同じく飛距離重視のクラブが目立つ。ナイキのフェアウェーウッドはアジャスタブル機能付きでロフト角を変え、3~5ウッドになる。1本で2度おいしい。
 ユーティリティー(36モデル)
 フェアウェーウッド並みの大きなヘッドと、アイアンに近い小さなヘッドの二極化が進んだ。ユーティリティーのヘッドサイズでアジャスタブル機能をつけると全体の重量をとられてしまい、敬遠されがちだったが、キャロウェイなどトライするメーカーが増えてきた。

  【アイアン】(53モデル)
 ヤマハインプレスRMX UD+2、テーラーメイドグローレF、キャロウェイXRなど飛び系アイアンが増えてきた。上級者の中には「アイアンでそんなに飛んでほしいのか?」と疑問を抱く人もいるが、アベレージゴルファーにとっては長い番手でのミスを防ぎリスクを回避する手段としては有効なクラブだろう。

  【ウェッジ】(20モデル)
 年々スピン性能は向上はしているが、際立ったものは少ない。一昔前に比べて「上級者しか打てない」というものが少なくなった。つまり、扱いやすく、やさしくなった。フォーティーンD―030、ヨネックストライプリンシプルなどバンカー特化型のアベレージゴルファーに向けたウェッジが増えている。

  【パター】(26モデル)
 トレンドは、アライメント(体の向き)の取りやすさ、転がりの良さ、打感の良さ。アライメントではテーラーメイドのarc1、オデッセイの2ボールファングが進化した。転がりについては、昔のパターに比べたら明らかにミスヒットをカバーしてくれる。オデッセイワークスにはインサートの上にメッシュのスチールをかませ、適度な打感を追求している。