４番、ティーショットを放ち、打球方向を指さすウッズ
◆日米共催 男子プロゴルフツアー ＺＯＺＯチャンピオンシップ第３日（２７日、千葉・習志野ＣＣ）
第３ラウンド（Ｒ）と最終Ｒが行われた。歴代最多に並ぶ米ツアー通算８２勝目に王手を掛けるタイガー・ウッズ（４３）＝米国＝は第３Ｒを６６で回り、最終Ｒの１１番まで２９ホールをプレー。通算１８アンダーに伸ばし、２位に３打差をつけて暫定首位を守った。日本男子歴代最多５勝の松山英樹（２７）＝ＬＥＸＵＳ＝は１５アンダーの２位につけ、残り６ホールでの逆転で自国初開催大会の初代王座を狙う。
最終Ｒの１１番、ウッズは３０センチのパーパットを沈めると帽子を取り、ホッと息をついた。１日で２９ホールを回る強行スケジュールの中で３打差の首位を堅持。「リードしているストレスもあった。（８月の）膝の手術後、これほど負担をかけたことはない。それを踏まえるといい一日だった」。今季初戦を自身１３年ぶりの試合となる日本で迎え、完全優勝にまた一歩近づいた。
午前７時過ぎに会場で練習を始め、８時３０分からプレー。６バーディー、２ボギーの６６で２位の松山に３打差をつけ第３Ｒを終えた。過去の米ツアーで、５４ホール終了時にリードを保っていた４５回のうち４３回で優勝（９５・６％）。３打差以上なら２４戦全勝と、データ上はＶ確率１００％となった。
最終Ｒの８番付近で太ももや腰を伸ばす動作を見せる場面もあったが「精神力が一番試される。１０時間と長時間コースにいて集中するのは大変だが、目の前のショットに１００％コミットしなければならない」と戦い抜いた。日没サスペンデッドとなった午後４時４０分、８時間超の長丁場を終えた。
２万２６７８人の大観衆が集まり、一打ごとに大声援が飛んだ。時間短縮のため３Ｒ後には順位による組み替えが行われず「一番近いスコアの松山とプレーしていた方が楽だったか？」と、海外メディアから聞かれたが「この状況下で（３Ｒ後に）組み替えするのは現実的ではない」と冷静だった。４月のマスターズ以来の８２勝目へ、残り７ホール。サム・スニード（米国）に並ぶツアー最多の通算８２勝が目前に迫り「やるべきことをやれば勝てる。勝つために必要なことをやるだけ」とうなずいた。
日本男子ツアーで最終Ｒが月曜決着になったのは６度目。中継局のテレビ朝日は急きょ、最終Ｒが再開する午前７時３０分から地上波で生放送を決めた（一部地域除く、同８時からは全国ネット）。日本初のチケット完売、大雨による順延、無観客など異例ずくめの試合で、タイガー・フィーバーが劇的なフィナーレを迎える。（岩原 正幸）