渋野日向子、来季は国内 米メンバー登録見送りメジャー大会へスポット参戦


プロアマ戦に参加し、笑顔でラウンドした渋野日向子(カメラ・生澤 英里香)

プロアマ戦に参加し、笑顔でラウンドした渋野日向子(カメラ・生澤 英里香)

 【台北(台湾)30日=岩原正幸】米女子ゴルフツアーのスウィンギングスカート台湾選手権はミラマーゴルフCC(6504ヤード、パー72)で31日、開幕する。推薦出場の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=はプロアマ戦後、11月18日に期限が迫る来季米ツアーのメンバー登録の見送りを決断したと表明。米ツアー公式サイトでも動向が報じられる中、国内を主戦場としながらメジャー大会などにスポット参戦する考えを示した。

 渋野は和やかにプロアマ戦を回った。スタート前のセレモニーでは大会関係者から熱烈歓迎を受け、終始リラックス。「来年の東京五輪に出たい気持ちもあってこの試合に出たかった。世界ランク上位の選手ばかりで、グリーン周りの精度を勉強したい。どれだけ通用するか体験したい」。五輪を見据え、世界ランクへのポイントの高い米ツアー出場を選んだ。

 “去就”についても口を開いた。8月のAIG全英女子オープン優勝直後に見送った来季米ツアーメンバー登録が18日に期限を迎える。「来年は日本ツアーでやって(海外)メジャーなどには挑戦しようと思う。まだ1年目だし、もう1年日本で経験を積んで、もっとレベルの上がった状態で挑戦したい」。来季は国内を主戦場とすることを改めて表明した。

 衝撃デビューの全英以来、約3か月ぶりのツアー参戦で注目度は高い。米ツアー公式サイトやツイッターは「シンデレラの真夜中の(決断の)期限が刻々と迫る。20年LPGA(米ツアー)メンバーになるのか」「渋野の未来は(米)ツアーにある? (台湾とTOTOクラシックの)2週間次第」と、登録に含みを持たせる内容を掲載していた。

 来年3月の国内開幕前、アジアシリーズへのスポット参戦へ前向きな姿勢を示した。「出たい気持ちはある。五輪(出場権)の順位があるので挑戦したい」と渋野。国内のみであれば本来試合のない2月に米ツアーを転戦し、世界ランク2番手以内を維持する狙いを明かした。メジャー女王で有する資格に加え、推薦を含めれば年間で最大12試合のスポット参戦も可能になるもようだ。

 「全英の時は『米国に行かない』と言っていたけど、この期間で(気持ちが)変わりました」と、21年以降の米ツアー参戦の思いは持ち続ける。様々なコースに慣れていく一環でもある今大会は難しいグリーンを警戒。「今週は“ジャストタッチ渋野”でいきます。(オーバー気味に打つ)壁ドンじゃなくて」と笑いを誘い、暗くなったパット練習場へ向かった。

 ◆米ツアー公式サイトも注目

 米ツアー公式サイトは、渋野が既に来季のメジャー5大会とHSBC女子選手権(シンガポール、毎年2月末に開催)の出場資格を得ていることに加え、米ツアーのノンメンバーでも最大6試合に推薦出場できることに言及した。予選落ちのある試合で賞金を加算することで、21年のツアー会員入りへ道が開けることにも触れている。

 ◆渋野に聞く

 ―今季メジャーを制した2人(イ・ジョンウン6、ハンナ・グリーン)との組み合わせ。

 「すごい注目組ですよね。全英覇者として負けられない? それはないです(笑い)。全然レベルが違うから、ライバル視しちゃダメ」

 ―昨日(29日)は。

 「アウトレット行って、韓国料理を食べた。『おいしい』の中国語が食べ物と飲み物で違うことを知った。ハオチーと(思い出せず)なんたら~」

 ―今日は風が強かった。

 「低いボールを打つイメージで何回か練習したけどことごとく失敗した。試合ではちゃんとします」

 ―台湾の印象。

 「台湾の皆さんは優しい。日本語しかしゃべれない自分でも居心地がいい」

 ◆ゴルフ東京五輪への道 女子は来年6月30日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を獲得。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域 で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有 資格者を含み最大2人。同8月5日から4日間、埼玉・霞ケ関CCで72ホールストロークプレーで競う。

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