渋野日向子「やばい!すごい!音が違う」 高校時代からの憧れトンプソンと同組で9位発進


7番、ティーショットを放ち、打球の行方を見つめる渋野日向子(右はトンプソン=カメラ・義村 治子)

7番、ティーショットを放ち、打球の行方を見つめる渋野日向子(右はトンプソン=カメラ・義村 治子)

 ◆米女子プロゴルフ協会公式戦 TOTOジャパンクラシック 第1日(8日、滋賀・瀬田GC北C=6659ヤード、パー72)

 8月のAIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が6バーディー、3ボギーの69で回り、3アンダーで首位と2打差の9位につけた。最終18番では痛恨のボギーで悔しがったが、同組で回った憧れのレキシー・トンプソン(24)=米国=の技に「スーパースターだな」と感激。20歳最後の大会で逆転優勝を狙う。前週優勝を飾り今季6勝目を狙う鈴木愛(25)=セールスフォース=とハナ・グリーン(豪州)が5アンダーで首位に立った。

 9位の好発進より、いら立ちの方が勝った。最終18番、渋野は1・5メートルのパーパットを完全に読み間違え、3パットでボギー。この日は比較的短いパットが入っていただけに「最後のは情けない。イライラしかないですね。台無しです」と苦笑いした。前半は9番でチップインバーディー、16番ではティーショットが右に大きく曲がったが、練習してきたロブショットでナイスパーにするなどギャラリーを沸かせた。それだけに「最後がかっこ悪い」と悔しさが募った。

 しかし、話題が同組で回り、高校時代から憧れるトンプソンのことに及ぶと表情が一変した。3歳上の飛ばし屋に1番のティーショットからいきなり約20ヤード離されるなど、飛距離では完敗で「やばい! すごい! 何であんなボールを打つんだ?って。アイアンもドライバーも音が違いますもん」と大興奮で振り返った。

 さらに18番では、トンプソンが2オンでイーグルを奪ったのを間近で見届け「最後は乗るはずのないパー5で乗せて、スーパースターだなって。これは置いていかれるなって納得した」とあふれる“トンプソン愛”が止まらなかった。

 最後は我に返ったのか「すみません、語りすぎた…」と反省?したが、全英を制し「スマイリングシンデレラ」や「しぶこ」が、今年の流行語大賞にノミネートされ注目を浴びる渋野でも、世界ラン 首位とは2打差と逆転Vは射程圏だ。「この悔しさを明日以降にぶつけたい。今日以上のスコアを出さないと絶対に上位争いはできないので、あと2日は60台で回りたいと思います」。来週15日は21歳の誕生日。シンデレラ街道を歩み続けてきた20歳を、優勝という最高の形で締めくくる。(筒井 琴美)

 ◆レキシー・トンプソン 1995年2月10日、米フロリダ州生まれ。24歳。本名はアレクシス・トンプソン。2007年に12歳4か月で「全米女子オープン」の予選会を突破し、同大会の史上最年少出場記録を樹立。プロ転向後の11年に「ナビスターLPGAクラシック」を16歳7か月で制し、当時の最年少優勝記録(18歳9か月)を更新。16年のワールドレディスサロンパスカップでは、日本のメジャー初出場で初優勝を飾った。日米ツアー通算12勝。16年リオ五輪代表。180センチ。

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