崔虎星、日本Sへ単独首位に浮上…沖縄の海風も味方「あしたはメンタルゲーム」


 ◆男子プロゴルフツアー 平和PGM選手権第3日(9日、沖縄・PGMゴルフリゾート)

 首位と3打差の3位から出た賞金ランク26位の崔虎星(46)=韓国=が6バーディー、3ボギーの68で回り、通算10アンダーで単独首位に浮上。変則スイングで人気の「虎さん」が昨年11月以来のVで最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催、12月5~8日、東京よみうりCC)出場を決める。69の今平周吾(27)=フリー=が9アンダーで3位から2位に浮上した。

 日本海に面した韓国・浦項市出身の崔が、沖縄の海風を味方にした。1番の第1打からバレリーナのように体を回す変則スイングで観客を沸かすと「風の流れに沿った」とフェアウェー中央に運んだ。2メートルを決めてバーディー発進。今平と9アンダーで並んで迎えた18番では、強風でシャツの袖がなびいても3メートル半を落ち着いてバーディー締め。単独首位に立ち「きょうは良かった」とうなずいた。

 ツアー屈指の人気を誇る石川遼が予選落ちで姿を消したが「虎さん」が盛り上げた。変則スイングや明るい人柄で観客の心をわしづかみ。ラウンド後にはサインを求めてファンが行列を作ったが「ありがとうございます」と日本語で対応した。今季から日本のファンに向けては、サインのそばに「虎」の文字を記している。「その方が分かりやすいから」と笑顔で明かした。

 賞金ランク26位で2年連続3度目の日本シリーズ出場はほぼ確定だが、優勝して確実にしたい思いはある。「あしたはメンタルゲームになる。頑張ります」。昨年は11月のカシオワールドオープン(高知)を制して日本シリーズの出場が決まった。実家からわずか30メートル先には日本海が広がる。全試合に帯同し、ホテルで食事を作って支える妻・黄眞雅さんは「夕食のメニューはシーフード鍋」と明かした。海を背に、海男が逃げ切りVでファンを喜ばせる。(宮下 京香)

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