諸見里しのぶ、ツアー撤退…今季全9戦予選落ち「納得して終われる」


プロアマ戦の6番でアプローチショットを放ち、笑顔を見せる諸見里しのぶ(カメラ・豊田 秀一)

プロアマ戦の6番でアプローチショットを放ち、笑顔を見せる諸見里しのぶ(カメラ・豊田 秀一)

 女子プロゴルフツアーの大王製紙エリエールレディスは21日から4日間、エリエールGC松山(6580ヤード、パー72)で行われる。ツアー通算9勝の諸見里しのぶ(33)=ダイキン工業=が20日、今季限りで第一線を退くことを発表。来年の出場権をかけた予選会には出場しない。賞金ランク首位の鈴木愛(25)=セールスフォース=は、1988年のツアー制施行後では国内初の4週連続優勝に挑む。

 目に涙を浮かべた諸見里の表情は晴れやかだった。「若い子たちは魅力的で技術も高い。そんな中、私自身が心・技・体ともに難しくなってきたというのが大きい。1年間通して戦っていくのは厳しい」と決断の理由を語った。

 昨夏のツアーで通算13勝の成田美寿々、飛ばし屋で同1勝の葭葉ルミ(ともに26)と回り「その時、自分の魅力は何だろうと感じたのが始まり。今年はコースが難しいと思うことが多かった」と明かした。

 今季は全9戦で予選落ち。開幕戦のダイキンオーキッドレディス(沖縄)で初日2位発進しながら、2日目に77で後退したことも「大きかった」という。「ずっと戦ってきた(上田)桃子には、そういう(最後の)気持ちで1年間臨むと伝えた」。所属先の会長にもこの夏、決断を報告した。

 2009年には年間6勝(賞金ランク2位)を挙げ、日本を代表するトッププロに。本格参戦した15年間の思い出の試合には、賞金女王争いで横峯さくらに土壇場で逆転を許した同年最終戦のLPGAツアー選手権リコーカップを挙げた。16年頃は左ろっ骨痛などけがにも苦しんだが、自炊中心の食生活でストレスの軽減に努め戦い続けた。「(最近は)いい状態の中でやって成績が出なかったので、納得して終われる」

 今後は日本女子プロ協会のコースセッティング担当に就任する見通しを示した。毎年3月に行われる地元開催で所属先が主催するダイキンオーキッドレディスについては「チャンスがあれば(推薦で)出場させていただきたい」。向き合う形は変わるが、ゴルフへの思いは変わらない。(岩原 正幸)

 ◆諸見里 しのぶ(もろみざと・しのぶ)1986年7月16日、沖縄・名護市生まれ。33歳。9歳からゴルフを始める。おかやま山陽高卒業。2005年にプロ転向。通算9勝。メジャーは07年日本女子オープン、09年ワールドレディスサロンパスカップ、日本女子プロ選手権の3勝。年間6勝した09年に賞金ランク2位。160センチ、58キロ。

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