◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー最終戦 日本シリーズJTカップ(5日から4日間、東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズJTカップは5日、東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開幕する。昨年と同じ賞金ランク1位・今平周吾(27)=フリー=と、2位で南アフリカのショーン・ノリス(37)=JOYX=の賞金王争いは、さながらラグビーW杯準々決勝の日本対南アフリカ戦の構図。今平はノリスの優勝以外なら史上5人目&最年少(27歳67日)での2年連続賞金王となる。両者は4日、プロアマ戦で最終調整し、初日から直接対決する。
決戦を前に、今平は平常心を貫いた。「いつも通り。ショットの調子はいい。グリーンはスピードが出ている」とコースを警戒しつつも淡々。プロアマ戦の難関18番パー3は第1打を右バンカーに入れたが、右3メートルからフックラインを沈め、パーセーブした。
2位のノリスが約1800万円差で追い、優勝賞金4000万円を手にすれば逆転される状況にも「ノリスより上に行き、優勝を狙いたい」と言い切った。昨年と同じ2人の最終戦対決に「何か不思議」と苦笑いした。会見前のフォトセッションではカメラマンの求めに応じ、身長差23センチ、体重差33キロの南アの大男にタックルを見舞うポーズを披露。相手のパワーゴルフに対し、屈指のショットメーカーは落ち着いて戦う。
日本が南アに敗れたラグビーW杯の“雪辱”を狙う。昨年、歴代最小身長の165センチで賞金王になった今平は例えるなら、日本代表で4トライを挙げ、8強入りに貢献した快足ウィング福岡堅樹(27)か―。対するノリスは屈強な大型FW。体格差はあっても平均飛距離は3ヤード超しか変わらず、アイアンショットの正確さを示すパーオン率では圧倒する。
今季は10月のブリヂストンオープン連覇で初勝利を挙げ2勝で最終戦を迎える。2位が5度と安定し「ショットの精度が年々上がっている。10月に勝って首位になり、今年も頑張れば行けると思った」。前週2位のノリスの“猛タックル”をかわして賞金王への逃げ切りトライを思い描く。
史上5人目の連続賞金王が目前に迫る。27歳67日の達成なら、73、74年の尾崎将司の27歳318日を更新して歴代1位に。複数回賞金王は歴代9人目となり、達成時の年齢で同年の尾崎を抜き年少1位となる(記録は1973年ツアー制施行後)。「そういう(偉大な)選手のように勝利数を増やせたら。最後に(年間)3勝して終わりたい」。ラグビーのように人々の心を揺さぶる戦いにしてみせる。(岩原 正幸)
◆18年大会の今平とノリス 第1Rの明暗で、賞金王の行方は大きく分かれた。ノリスは34パットとグリーン上で苦戦して75の29位と出遅れた。今平は68で3差7位発進。第2Rはノリスは70で28位、今平は68で4差2位へと浮上。第3Rの今平は71とスコアを落として3差5位へと後退。ノリスは68で23位へ浮上した。最終Rはノリスは66と追い上げるも15位。今平は68で3差8位で終えた。