今平周吾、五輪道 逆転Vから米欧ツアー転戦


紅葉を背に17番へ向かう今平。通算3アンダーで7位につけた(カメラ・宮崎 亮太)

紅葉を背に17番へ向かう今平。通算3アンダーで7位につけた(カメラ・宮崎 亮太)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第2日(6日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 2年連続賞金王に王手をかけている今平周吾(27)=フリー=が3バーディー、3ボギーの70で回り、通算3アンダー。首位の星野陸也(23)=フリー=と3打差の7位で優勝圏内を守った。来年1月には異例の世界転戦を計画し、出場圏内にいる東京五輪イヤーをスタートさせることが判明。1月9日開幕の米ツアー、ソニー・オープン(米ハワイ州)で始動し、2週後にUAE・ドバイで行われる欧州ツアーに招待選手として初出場する。

 今平は最終18番で5メートルのパーパットをねじ込み、寒空の中で熱いプレーを見せた。2、5番では7メートルのバーディーパットを決めるなど、難コンディションで70にまとめた。約1800万円差に迫る賞金ランク2位のノリス(南アフリカ)は5アンダー2位。「ノリスに勝たれると賞金王を取れなくなるので(リーダーズボードを)確認しながらやった。自分の力で(優勝して)抑えたい。上位が伸びていないので、まだまだ優勝を狙える」と前向きに語った。

 目の前の一戦に集中する一方、東京五輪を迎える2020年の始動プランを進めていることが分かった。初戦は1月9日開幕の米ツアー、ソニー・オープンに3年連続で出場する。その後は一時帰国し、2週後の欧州ツアー、オメガ・ドバイデザートクラシックに招待出場する予定だ。そのため、同16日から行われるアジアンツアーと共催の日本ツアー開幕戦・SMBCシンガポールオープンは欠場の見込みとなっている。

 中東での自身初試合は大きな意味を持つ。10月末にスイスの高級時計会社オメガとアンバサダー契約を締結したことで招待を受けたという。総額350万ドル(約3億8000万円)の高額賞金大会で、世界トッププロの集結が予想され、世界ランクへの反映ポイントも大きい。「出られるのはうれしい。少しでも(上位に行く)チャンスがあると思う。米ツアーとは違った経験ができれば」と、海外メジャーや世界選手権シリーズを除いて初の欧州ツアーを心待ちにしている。

 現在の世界ランクは34位で、松山英樹(同20位)に次ぐ日本勢2番手。埼玉・入間市の実家から車で約10分と近い霞ケ関CCで、来年8月に行われる東京五輪代表(2枠)入りが現実味を帯びる。1月の米欧2戦で結果を残せば、世界ランクで日本勢3位の星野や同4位の石川に大差をつけられる。今季はマスターズ、全米プロ、全米オープン、全英オープンのメジャー全4大会で予選落ちし「悔しかった。来年は結果を出したい」と意気込んでいる。年末の同50位以内の資格で、来年4月のマスターズ出場も濃厚。2年連続の国内賞金王を残り2日で決め、再び世界への足掛かりをつかむ。(岩原 正幸)

 ◆ゴルフ東京五輪への道 男子は20年6月23日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を獲得。〈1〉同15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人が出られる。男子は20年7月30日から4日間、埼玉・霞ケ関CCで72ホールストロークプレーの個人戦で競う。16年リオ五輪で日本男子は初出場し池田勇太が21位、片山晋呉が54位。

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