安田祐香、松山英樹のエールに「興奮が止まらない」住友ゴム工業と複数年大型契約


住友ゴム工業と契約、特大のボールを持ち笑顔を見せた安田祐香(カメラ・橘田 あかり)

住友ゴム工業と契約、特大のボールを持ち笑顔を見せた安田祐香(カメラ・橘田 あかり)

 昨年11月のプロテストに一発合格したアジア女子アマ優勝の安田祐香(19)=大手前大1年=が5日、都内で国内ゴルフ用品最大手の住友ゴム工業とゴルフ用品契約を結んだことを発表した。複数年の大型契約となるもよう。会見では米ツアー5勝の松山英樹(27)=LEXUS=から祝福のビデオメッセージが贈られ、同じショットメーカーの松山のように世界へ羽ばたく決意を明かした。

 黒のスーツに身を包んだ安田は「小3で坂田塾に入り、初めて使ったのが(住友ゴム工業が展開する)ダンロップさんのクラブ。ゴルフ人生を一緒に歩みました」と感謝を述べた。昨年末の予選会を2位通過し、3月5日開幕のダイキンオーキッドレディスでプロデビューする。「前半戦のうちに優勝したい。不安よりワクワクした気持ちが強い。一試合一試合を楽しみたい」と抱負を語った。

 詳細は非公表となったが、住友ゴム工業と17年1月に契約した日米通算8勝の畑岡奈紗(21)の3年1億2000万円(推定)に迫る大型契約だという。18年にはアマチュア最多に並ぶプロツアー10戦連続予選通過。昨年は米オーガスタ女子アマで3位など、2000年度生まれの“ミレニアム世代”筆頭格として絶大な人気を誇り、国内最大級の評価となった。

 会見では、憧れの松山からの映像がサプライズで流れた。「同じダンロップの選手として戦えることをうれしく思います。去年のオーガスタでの活躍もすごいなと思って見ていました。これから大変なこともあると思うけど、一緒に頑張りましょう」とエールを送られた。安田は「興奮が止まらない。私も松山さんのように、ショットでバーディーチャンスにつけるゴルフがしたい」と、世界を目指して背中を追う。松山がプロ初優勝した13年つるやオープンでは当時中1の安田がスコアボード係を務めた縁もある。

 「将来は世界ランクを上げて、米ツアーにも挑戦したい」。現在は地元・神戸で昨年初めに痛めた腰回りの強化などトレーニングを積む。11日からは1週間のタイ合宿で開幕に備える。今季使用するボールにはハートマーク3つを刻印。「尊敬されるプロゴルファーになりたい」との思いを込めたとみられる。アマ時代から国際経験豊かな期待のルーキーが、プロでの一歩を踏み出す。(岩原 正幸)

 ◆坂田塾長が猛ゲキ

 安田が小学3年から師事する「坂田ジュニアゴルフ塾」の坂田信弘塾長(72)からもビデオメッセージが贈られた。「安田、今の気持ちを忘れるなよ。ゴルフが好きというのがお前の一番の武器だ。自分の生きる場所はただコースという覚悟を持って、試合の成績だけで生きていく。そういうプロになってほしい。ゴルフが苦しくなったらそこは休めば良い。その覚悟がこれから先一番大事なものになる。健闘を祝す」などと熱い言葉が贈られた。

 ◆安田 祐香(やすだ・ゆうか)2000年12月24日、神戸市生まれ。19歳。7歳でゴルフを始め、有村智恵らを輩出した坂田塾に小3で入る。17年日本女子アマチュアで優勝し、アマ日本代表入り。滝川二高卒。19年の海外メジャー、AIG全英女子オープン59位。家族は両親と姉。

 ◆ミレニアム世代 女子ゴルフで逸材がそろう2000年度生まれのこと。昨年の富士通レディースでアマ優勝し、プロ転向した古江彩佳、18年の日本ジュニア&日本女子アマ2冠の吉田優利、アマ日本代表で活躍した西村優菜、米ツアー参戦中の山口すず夏ら。2学年上の「黄金世代」は世界ランク4位の畑岡奈紗、全英女子オープン優勝の渋野日向子ら。

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