国内男子ゴルフの18、19年賞金王・今平周吾(27)=フリー=が13日、大相撲の平幕・御嶽海(27)と共闘を誓った。18年12月の「報知プロスポーツ大賞」表彰式で共演した縁で、都内にある出羽海部屋を訪れ朝稽古を初見学。激しいぶつかり稽古から刺激を受けるとともに、同じ1992年度生まれのアスリートの輪をさらに広げ、「92年会」の結成を呼びかけた。
泥まみれになった大男たちの鬼気迫るぶつかり合いに、小さなゴルファーの心が揺さぶられた。今平は緊張した表情で部屋を訪れた。昨年秋場所など優勝2回で前頭2枚目の御嶽海が姿を現すと、場の空気がさらに引き締まった。激しい稽古に目を奪われ、息づかいを間近で体感した。
「初めて朝稽古を見学させていただき、練習から気迫があって、すごい迫力だった。今度は本場所も見に行きたい」。2年連続賞金王は土俵上の戦いに圧倒された。御嶽海は「久々に迫力出しました」と笑顔。その年に最も活躍した選手を複数表彰する18年末の報知プロスポーツ大賞以来の対面を果たし、ちゃんこ鍋を囲んだ。
27歳で体重差108キロの2人は同期会の発足を見据えた。御嶽海から、大リーグの大谷翔平(25)ら豪華メンバーが集まる「94年会」のように、「92年会をやりましょう」と、プロ野球・ヤクルトの山田哲人(27)ら同世代のアスリートが一堂に会する計画が飛び出した。親睦を深め、互いを高め合うのが目的だ。「同い年ってあまりいないよね」と口をそろえ、御嶽海は「(今平には92年度生まれの)有名人の筆頭として頑張ってほしい。自分も負けないように頑張ります」と、活躍を誓った。
早速、世界での戦いに向け体重増を目指す今平に、御嶽海が「大学時代は20人で米を80合食べていた」と、アドバイスを送った。見学を終えた今平は、「練習から本番のような集中力でやっていきたい」と、ゴルフに生かすという。
約2週前には東京五輪(7月30日開幕)コースの埼玉・霞ケ関CCを下見ラウンドし、「日本で回ったゴルフ場で一番難しい」と、経験を積んだ。次週はメキシコ選手権に出場する。「そろそろ海外でも結果を出したい」。メジャーで初の予選通過を目指す4月のマスターズと、世界ランク36位(日本勢2番手)で現在出場圏内の五輪に向けて、電車道で突っ走る。(岩原 正幸)
◆94年会 大リーグ・エンゼルスの大谷翔平や競泳男子の萩野公介、瀬戸大也、バドミントン女子の奥原希望、柔道男子のベイカー茉秋ら1994年度生まれのトップアスリートが、同世代で食事会などを開き親睦を深めている会。各競技に有望選手がそろっているため「ワンダフル世代」とも呼ばれる。フィギュアスケート男子の羽生結弦や大相撲の幕内・炎鵬も94年生まれ。