開幕2戦目も中止、渋野日向子らの東京五輪代表争いにも大きな影響か…新型コロナ影響


渋野日向子

渋野日向子

 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)と主催者は2日、国内ツアー2戦目の明治安田生命レディース(13~15日、高知・土佐CC)が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となったことを発表した。既に開幕戦のダイキンオーキッドレディス(5~8日)が中止となっており、複数大会連続は東日本大震災時(2011年)以来、9年ぶり。渋野日向子(21)=サントリー=らの東京五輪代表争いにも大きな影響を及ぼしそうだ。

 先月28日の開幕戦中止に続き、第2戦も中止が決まった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府からの大規模イベント自粛要請を踏まえ、JLPGAは「我々に出来る最大限の協力」として、苦渋の決断を下した。2戦以上続けてのツアー中止は、東日本大震災の影響を受けた11年3~4月(4戦中止、うち1戦は競技不成立)以来、9年ぶりとなった。

 3戦目のTポイント×ENEOS(20日開幕)は現状、無観客試合で開催に向け準備を進めている。だが、4戦目のアクサレディス(27日開幕)も含め、今後の感染の状況次第では開催中止に踏み切る可能性もあり、これまで同様に不透明な状況が続く。

 世界ランク11位(2月24日時点)の渋野は、2月のタイ、シンガポールでの米ツアー連戦を含め、これで4戦連続で初戦が持ち越しとなる異例の事態となった。国内で懸命に調整を続けており、マネジメント関係者は「どうなるか分からない状況ですが、スケジュールについては(コーチなど)みんなで何度も話しています」と説明した。

 6月29日に決定する五輪代表争いでは、自力出場となる同15位以内の死守を目指す。現在15位の鈴木愛(25)=セールスフォース=にとっても、地元・四国で昨年制した大会が中止となり大きな痛手だ。国内を主戦場とする選手はポイントを積み上げる機会を逸した一方、19日には米本土で、よりポイントが高い米ツアーが再開する。今後の動向次第で、どちらかが16位以下となれば、渋野と鈴木により、“畑岡プラス1枠”を巡る激しい争いが展開されそうだ。

 国内ツアー開幕に遅れが生じた場合、渋野、鈴木両者にとって、4月のメジャー・ANAインスピレーション(米国)が20年初戦ということもあり得る。米トランプ政権の今後の入国禁止措置などによっては、渡米プランそのものにも影響が生じかねない。

 ◆世界ランク 過去2年間に獲得したポイント(減算あり)を出場試合数で割った平均値で算出。出場選手の世界ランクが高いほど試合のポイントも高い。通常の米ツアーで日本ツアーの約2~3倍、海外メジャーは約5倍とされる。

 ◆五輪への道 女子は6月29日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ランク上位60人が出場権獲得。〈1〉15位以内は各国で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人。8月5日から埼玉・霞ケ関CC東Cで72ホールストロークプレー、個人戦で競う。

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