米女子プロゴルフ協会(USLPGA)は12日、新型コロナウイルスの感染拡大でメジャーのANAインスピレーション(4月2~5日)などツアー3大会を延期すると発表した。メジャーには渋野日向子、畑岡奈紗(ともに21)らが出場予定だった。
米スポーツ界全体を巻き込んだ新型コロナウイルス騒動はゴルフにも波及した。USLPGAは、ANAインスピレーションなどの3試合を延期。直近のメジャー(昨夏の全英女子オープン)覇者としてANAに照準を合わせていた渋野にとっては、渡米プランが白紙となる事態に陥った。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)などは13日、国内第3戦のTポイント×ENEOS(20~22日)の中止を発表した。これを受け、ホステスプロの渋野はマネジメント会社を通じ、「とても残念。また皆さまに笑顔と元気を届けられるように、しっかり調整を続けたい」とコメントした。
2月のタイ、シンガポールの米ツアー、3月の国内の開幕から3試合が中止に、さらにANAが延期となり、感染拡大の終息も見えない。国内の次戦、アクサレディス(27~29日)の開催も厳しい状況で、4月以降の国内ツアー開始に向け、引き続き青木翔コーチの下で調整に励むという。
アクサで国内の中止が4戦連続となった場合、2011年東日本大震災時以来、9年ぶりでツアー史上最長に並ぶ。1988年のツアー制施行後初の“4月開幕”が現実味を帯びるなど、負の連鎖を断ち切れない状況だ。ANAにも出場を予定していた昨季の賞金女王・鈴木愛(25)は、一連の中止、延期に「悲しく切ない気持ちでいっぱい」と、コメントした。
日本勢は世界ランク5位の畑岡、12位の渋野、14位の鈴木の3人が東京五輪出場圏内(代表決定は6月末)。だが、外国勢を含め日米両ツアーの選手とも、試合がない以上、ポイントを加算できない。本大会すら開催が見通せない中、霧の中をさまよう時期が続く。