小斉平優和、覚悟の渡米 知人宅で14日間自主隔離&キャディーは現地の友人…米男子ゴルフ下部ツアー参戦


渡米した小斉平優和(株式会社JPW提供)

渡米した小斉平優和(株式会社JPW提供)

 米国男子プロゴルフの下部ツアーに参戦する小斉平(こさいひら)優和(22)=太平洋C=が24日、同ツアー再開に合わせ、成田空港から出発した。下部ツアーはコロナ禍で3月に中断され、米ツアーと同日の6月11日に再開予定。小斉平はスポーツ報知の電話取材に応じ、決意などを語った。

 父に見送られ、単身渡米した。到着後は米国政府の規定に沿い、フロリダ州の知人宅に身を寄せ、14日間の自主隔離に入る。出場権を持つ日本ツアーは開幕のメドが立たない。隔離の壁はあるものの、6月再開予定の米下部ツアー・コーンフェリー・チャレンジ(米フロリダ州)などへの出場を決断。出場予定の2戦は後半戦出場や22年の出場権に関わるだけに「隔離され、思うように練習もできないだろう。精いっぱいやるしかない」と覚悟を示した。

 松山英樹、石川遼などのように「日本ツアー→米ツアー」と挑戦する選手はいるが、あえてイバラの道を進む。18年の日本ツアーの予選会の申し込みをし忘れたことで、この年は米ツアー中国シリーズに本格参戦。「とんとんと成績を残せて…」と健闘し、賞金ランク4位に入り、米下部ツアーへの道を開いた。19年は日本ツアーに出ながら米下部1戦に出場したが、今季は前半8戦に臨む。異例の道で米ツアー参戦を目指す。

 転戦中は費用がかかるため、今回、キャディーは現地の大学に通うゴルフ経験者の友人に頼んだ。米下部ツアーは日本などと違い、転戦でバハマからパナマへなど国境を越えることも少なくなく、「入国手続きは自分でやるので、そこは大変」と苦労も承知の上だ。

 幼少時から米通算82勝のタイガー・ウッズ(米国)に憧れ、「米メジャー優勝」が大きな目標。今月22歳になった“若武者”は夢の実現へ我が道を歩んでいく。(宮下 京香)

 ◆小斉平 優和(こさいひら・ゆうわ)1998年5月22日、大阪府生まれ。22歳。3歳の時、父の影響でゴルフを開始。2011年つるやオープンでツアー初出場。高3の16年日本ジュニアと関西アマ優勝。同年12月にプロ転向した。18年、米ツアー中国シリーズを主戦に置いた。19年、米下部ツアーの予選会30位で今季前半戦に出場。178センチ、85キロ。平均飛距離は290ヤード。家族は両親。

 ◆コーンフェリーツアー 米下部ツアー。今季は新型コロナの影響で、来季の出場権を懸けた予選会は中止され、22年の出場権は20年と21年のポイントの合算で決まる。小斉平は出場権を持つ今季前半8戦のうち、中断前に6戦出場し、2戦で予選通過。ポイントランクは156位。後半戦の出場は4戦ごとに行われるリランキングで決まる。また、来季の米PGAツアーに昇格する人数もコロナ禍で、同ランクトップ10にとどまる。

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