国内女子ゴルフツアーの開幕戦として観客も報道陣も入れない非公開試合で開催するアース・モンダミンカップ(25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)に向け、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が選手、関係者に新型コロナ対策マニュアルを送付したことが5日、分かった。開催週に一度でも体温が37・5度以上なら出場できず、選手付きのスタッフでさえ来場は不可。渋野日向子(21)=サントリー=ら出場選手は厳戒態勢の下、初戦を迎える。
ツアーは25日に3か月半遅れでようやく開幕する。アース・モンダミンカップに向け、JLPGAから選手、関係者に対策マニュアルが送られた。内容は5月20日にゴルフ5団体が発表した指針に沿って作られているが、「これらを熟読し日頃から感染予防に努め、会場での感染対策に協力してください。また、発熱、せき、けん怠感など症状を認めたら休む勇気を持ってください」と、強く求めている。
5月1日に発表されたJLPGAの規定にのっとり、指定練習日の今月23日から28日までの開催期間中は検温で37・5度以上あった選手は出場できない。また、2週前の9日からは毎日の検温と、食事した場所、誰と会ったかを記す行動記録も必要となる。出場予定選手の一人は、「体調管理をしっかりやるだけ。やらないより、徹底してやっていただく方がありがたい。(行動記録は)不要な外出をしないということで抑止力になるのでは」と語った。
普段なら帯同する選手のコーチ、トレーナー、マネジャーらスタッフ、家族も来場不可となる。チームで行動することの多い選手は、身内の存在がリラックスにつながっていることもあり、厳戒態勢下で不自由な戦いを強いられそうだ。クラブハウスには選手、最少の大会関係者だけが立ち入りを許され、マスクの着用、ソーシャルディスタンスが徹底される。
さらに、用具類を送る宅配便を極力使わず、共用を避けるため“マイタオル”の持参や、ロッカールームでの会話も最低限に抑えるよう求められるなどの方針が盛り込まれた。レストランの食事(営業の有無は主催者、コースの判断)も距離をとるよう促され、「異様な感じになる」と同選手。平均飛距離などスタッツの計測もない“非日常”の戦いが待ち受ける。
史上初めて大会を通じて無観客のため、ファンは渋野らのプレーをインターネット中継越しに楽しむことになる。ツアー最高額の優勝賞金4320万円を懸けた熱戦を成功させるため、普段通りではない対策措置が水面下で進められている。
◆海外ツアーの対策状況
▼韓国女子 5月14日からの韓国女子プロ選手権(メジャー)で無観客で再開。入り口で検温があり、37度以上の人はNG。クラブハウス入場は選手、キャディー、協会関係者に限られた。室内では消毒、マスク着用を徹底。
▼米男子 6月11日に無観客で再開予定。既に出された指針では、選手、キャディー、大会関係者は問診票、検温、鼻くうテストの3段階のチェックが実施される。家族は来場不可。コーチまたは通訳の限定されたスタッフのみ帯同。クラブハウス入場は検査でクリアになった者に限る。