大物ルーキー安田祐香、待ちに待ったプロデビュー「自分の現在地を知りたいな」


指ハートポーズで笑顔

指ハートポーズで笑顔

 日本女子プロゴルフツアーは、新型コロナウイルスの影響で約3か月半遅れで、アース・モンダミンカップ(25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)で開幕する。アマチュア時代に国際舞台で大活躍した注目ルーキー・安田祐香(19)=NEC=が、プロデビュー戦を前にスポーツ報知のインタビュー取材に応じた。女子アスリート逸材ぞろいの2000年度生まれの“ミレニアム世代”新ヒロイン候補は、仕上がり具合や心境、今季目標などを語った。(取材・構成=榎本 友一)

 待望の開幕戦。安田は6月初めに今大会開催の発表後、兵庫県内でラウンドを重ねてコンディション、ゴルフともに仕上げてきた。

 「始まると聞いて気が引き締まり、モチベーションも保てている。体調も状態も良い感じです。最近は週4回くらいラウンドしていて結構、準備できたんじゃないかなと思います」

 新型コロナの影響で前例のない3か月半遅れの開幕。大会が中止になる中、冷静に準備してきた。

 「予想外のことで残念でしたが、準備期間が長くなったと前向きに考えてきました。毎日練習場に行って、体幹トレーニングもしてきた。お尻の筋肉を強くしたら(腰痛持ちの)腰が楽になるので、それを重点的に取り組みました」

 アマチュア時代の実績は歴代屈指だ。安定感抜群のアイアンショットを武器に17年6月、日本女子アマ選手権で初優勝。国内ツアーは17年から昨年まで計20試合に出て、4度のトップ10入りで予選落ちは1度のみ。アマ最多記録タイの10戦連続予選通過も達成。プロ1年目は、1988年ツアー制施行後初の20―21年統合シーズンとなる。

 「目標は予選落ちを減らすこと。ショットを武器にしているので、パーオン率は年間でツアー上位にいるようにしたい。ファンの方にはそこを見てほしい」

 ツアー初の1大会を通じて無観客で開幕を迎える。

 「(去年までの)アマチュアの試合は観客がいなかったので。ある意味、集中できる部分もあるかもしれないですね」

 昨年4月のアジア太平洋女子アマで日本人初優勝。日本人アマ初のエビアン選手権&AIG全英女子オープンのメジャー切符2枚を獲得。7月のエビアン選手権は通算イーブンパーの37位で、日本女子26年ぶり4人目となる海外メジャーのベストアマを獲得した。女子大生プロになっての初陣となる、異例づくしの開幕戦は波乱含みの展開も予想され、実績十分の安田を優勝候補に推す声もある。

 「まず優勝や結果というよりも楽しみたいな、という気持ちです。予選通過はしたいですね。まずは自分の現在地を知りたいな」

 古江、西村、吉田らアマチュア時代からしのぎを削ってきた“ミレニアム世代”は戦友のような存在だ。

 「小、中学生の時から戦ってきたメンバーで、一緒にプロになれたのは素晴らしいこと。いつも自分が出ていない試合で、誰かが上位にいたらすごい刺激を受けているので、プロになっても同じように戦えたらいいなと思っています」

 同世代は競泳の池江璃花子、卓球の伊藤美誠ら女子アスリートの超豊作年だ。

 「兵庫県の表彰式で柔道の阿部詩さん、フィギュアの坂本花織さんとかと一緒になって、すごいなと思いましたね。刺激というよりも、同じ歳で五輪代表ってすごいですよ。私はまだまだです」

 ◆ミレニアム世代 女子ゴルフで逸材がそろう2000年度生まれ。昨年の富士通レディースで優勝した古江彩佳、18年日本ジュニア&日本女子アマ2冠の吉田優利、プロテスト2位合格の西村優菜、米ツアーに参戦している山口すず夏ら。2学年上の「黄金世代」は日米8勝の畑岡奈紗、渋野日向子ら。プロ野球では1980年度生まれの「松坂世代」が有名。

 ◆安田 祐香(やすだ・ゆうか) ▼生まれとサイズ 2000年12月24日、兵庫・神戸市生まれ。19歳。163センチ、54キロ。 ▼ゴルフ歴 上田桃子、有村智恵らを輩出した名門・坂田塾に小3で入門。17年にアマ日本代表入り。国内ツアー最高成績は18年の大東建託・いい部屋ネットレディスの3位。兵庫・大手前大現代社会学部2年。 ▼日本女子初のオーガスタ 昨年4月、米国のオーガスタナショナルGCで初開催されたオーガスタナショナル女子アマで3位。一躍世界から注目を浴びた。 ▼好きな芸能人 音楽はE―girlsが好き。好みの男性は俳優・竹内涼真。自身は「女優の志田未来似」と言われる。 ▼食べ物 好物は豚肉で「しょうが焼きと豚キムチが好き」。苦手は魚介類で「貝類は生では無理」。 ▼家族 両親と姉。

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