青木瀬令奈、不在の外国勢から託された開幕への思い


練習ラウンドで、「検温済」のシールを貼ってショットを放つ青木瀬令奈(ゲッティイメージズ/LPGA提供)

練習ラウンドで、「検温済」のシールを貼ってショットを放つ青木瀬令奈(ゲッティイメージズ/LPGA提供)

 国内女子プロゴルフツアー今季初戦のアース・モンダミンカップは25日から4日間、千葉・カメリアヒルズCCで開催される。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の選手会にあたるプレーヤーズ委員会の委員長として、選手と協会の間を取り持ってきた青木瀬令奈(27)=マツシマホールディングス=が23日、オンライン会見に応じ、開幕戦に向けた思いを明かした。

 会見に出席した青木の心には、熱いものがあった。約3か月遅れのツアー開幕を前に「開催の判断をしてくださったからには、私たち選手はベストパフォーマンスで大会を盛り上げたい」と力強く語った。

 3月の開幕戦中止が決まった後、青木はプレーヤーズ委員長として選手の声をJLPGAに伝えるパイプ役として多忙を極めた。ほぼ毎日朝から晩まで協会関係者とLINEでやり取りをし、JLPGA・小林浩美会長(57)とはリモート会議で意見交換をした。青木は「選手から質問があれば1分以内に協会へフィードバックして、返答があり次第、選手に伝えることを心がけた」。速やかに対応し、可能な限り選手の不安を取り除くことに努めた。選手の声から、大会への検温やPCR検査の実施も結びつけた。

 政府による入国制限の影響から、15、16年賞金女王のイ・ボミ(31)ら出場権を保持しながらも出場できなかった海外選手がいる。昨年大会覇者の申ジエ(32)=ともに韓国=もその一人で、書面を通じ「行きたくても、行けない。協会側が何かやってくれないの?」と質問も受けた。また、書面には、申から「やるからには大会を盛り上げて」という切なる願いもあった。

 青木はこの日、会場入りしてすぐに初めてのPCR検査を受けた。会場のさまざまな場所に設置された消毒液などで感染対策を徹底しながら練習ラウンドを行った。「徹底されていて安心感があった。楽しみが大きい」。リーダーはさまざまな思いを胸に、開幕戦に挑む。(宮下 京香)

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