◆米男子プロゴルフツアー プレーオフシリーズ第2戦 BMW選手権 最終日(30日、米イリノイ州オリンピアフィールズCC)
首位から出た日米通算13勝の松山英樹(28)=LEXUS=はショットで苦戦して3バーディー、2ボギーの69で回り、通算2アンダーの3位だった。2017年8月以来のツアー6勝目はならずも年間ポイントで10位となり、上位30人によるプレーオフシリーズ最終戦のツアー選手権(4日開幕)に7年連続で進出した。64で回った世界ランク2位のジョン・ラーム(スペイン)が、4アンダーで並んだ同1位のダスティン・ジョンソン(米国)とのプレーオフを制し、ツアー通算5勝目を挙げた。
松山は、緊張感を漂わせた前半にショットで苦しんだ。米ツアーで過去3度首位で最終日に臨み、勝ったのは1度。4度目も出だしで歯車が狂った。前日はイーグルの1番も第1打を右に曲げた。「右に逃げてしまった」という感覚だった。その後も自信を持って振り切れず、3番ではボギーと波に乗れなかった。
それでもグリーンまわりの巧みな技でスコアを懸命に維持した。6番はエッジからの6メートルを沈め、1打を追う展開で後半へ。重圧の中、13番で3メートル強、14、16番は2メートル前後のパーパットを決めて耐えた。3年ぶりの優勝を逃し、「勝つにはショット力が大事と痛感させられた」と振り返ったが、「粘れたのは収穫」と前向きだった。
年間ポイント上位30人で争う今季最終戦に7年連続で勝ち残った。7年連続以上の出場となると、ほかに12年のD・ジョンソン、7年のリードがいるだけ。「頑張っているな、という感じ」と本人がいうように、最高峰のツアーでも屈指の安定感を誇っている。
振ってV争いだ! 今年はコロナ禍で変則日程となった。17日には「世界一難しい」と呼ばれるメジャーの全米オープン(ウィングフットGC)が開幕する。「このショットだと通用しない。しっかり振っていけるようになれば、優勝争いができていくのでは」と松山。通算アンダーパーが5人だけだった難コースの今大会で、世界ランク1位のD・ジョンソン、2位のラームとV争いを演じた。自信を胸に、日本人初の年間王者と4大メジャー制覇に挑む。
◆プレーオフシリーズ 2007年から始まり、年間王者はボーナス1500万ドル(約16億円)を獲得する。全3戦で、ツアー1試合ごとの順位をポイント換算したフェデックスカップポイントの上位125人で第1戦→第2戦は70人→今季最終戦は30人と絞り込まれる。最終戦(米ジョージア州イーストレイクGC)は昨年からシーズンのポイント成績を反映したハンディキャップ戦となり、総合ポイント1位のD・ジョンソンは初日10アンダーからのスタート。同10位の松山は初日4アンダーからのティーオフで、最終戦4日間での逆転を目指す。最終戦に出場すると、翌年のマスターズ、全米オープン、全英オープン切符を獲得する。