石川遼、「弾道をイメージ」“Vサインルーチン”でV字回復!首位と3打差6位浮上


1番、ティーショット前にVサインでコースを読む石川遼(代表撮影)

1番、ティーショット前にVサインでコースを読む石川遼(代表撮影)

 ◆男子プロゴルフツアー今季第2戦 フジサンケイクラシック 第2日(4日、富士桜CC=7566ヤード、パー71、賞金総額1億1000万円、優勝2200万円、参加105人)

 第1ラウンド(R)の残りと第2Rを行い、72位で出た石川遼(28)=カシオ=が1イーグル、5バーディー、1ボギーのベストスコア65をマーク。首位と3打差の通算3アンダーの6位へ浮上した。前日後半から導入したショット前の“Vサインルーチン”で安定感が増し、10年大会以来3度目のV圏に突入。ホールによっては、初日とマネジメントを変えるなど、頭脳的なゴルフも見せた。14年賞金王・小田孔明(42)=プレナス=ら3人が、6アンダーの首位に並んだ。

 465ヤードの最終18番パー4で、石川は前日と同じドライバーではなく、3ウッドを握った。青空に右から鮮やかなドロー軌道を描き、フェアウェー中央へ。5アイアンでピン下3メートルにつけて、この日のベストスコア65を確定させるバーディー締め。「18番は風がフォローだったので右のバンカーに届かないクラブで。すごくいい攻めができたと思います」と満足そうにうなずいた。

 ショットが不安定で大会自己ワーストの74、初日ワーストの72位発進と出遅れた前日の第1R後には、約2時間以上、練習場で打ち込んだ。この日、3番はグリーン左手前カラーから8メートルをパターで沈めてイーグル。6番で4メートルを沈めて伸ばし、7番は1メートルにつけ、14番は1・5メートル、15番は5メートルを沈めてバーディーとスコアを伸ばした。

 「新しいことにも取り組みながらという感じで。全てコースマネジメントにつなげていこうという考えの下、スイングを作っている。自分を理解して、コースに当てはめることに集中する」。18番のように前日と違うマネジメント(戦略)が的中したホールもあり、鮮やかな“V字回復”を見せた。

 前日の後半に新ルーチンも導入した。「あまりにも前半、アドレス(構えの動作)が決まらなかったので。ちゃんと自分が決めたアドレスで打ち切るというか、自分に対する(確認の)サインですね」。ティーグラウンドなどで、ショットの前にVサインをして前方を見据える。Vの2本の指の間に、ボールの行方を思い描くということか。「弾道をイメージしたい。300ヤード先に狙いたいところがあって、そこからラインを作りたい。Vサインの方がイメージが出たので」

 得意コースで首位と3打差での週末。「ワクワクしているし、しっかりゲームプランを立てて、当てはめていくのを楽しみたい」。過去の17勝よりも戦略的に、栄冠をつかみにいく。(榎本 友一)

 ◆石川のフジサンケイクラシックでのベストスコア 2009年大会第2Rの65、10年大会第1Rの66、19年大会最終Rの64(大会自己最少スコア)に続き、この日が4度目となった。過去3度のうち09、10年大会は優勝(19年大会は5位)しており、V確率は66・67%。

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