笹生優花、4戦で3つ目イーグル女王 予選落ちピンチもV3つないだ「長い一日でした」


10番でティーショットを放つ笹生優花(代表撮影)

10番でティーショットを放つ笹生優花(代表撮影)

 ◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス第1日(4日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC)

 ツアー史上3人目の開催3試合連続優勝の期待がかかる笹生優花(19)=ICTSI=は1イーグル、1バーディー、2ボギーの71で回り、首位と6打差の39位スタートとなった。前半1オーバーと出遅れたが、後半スタートの10番パー5で今季4戦目で早くも3つ目となるイーグルを奪い、挽回。賞金ランクとともにイーグルランクでも独走し、V3へ可能性を残した。葭葉ルミ(27)=富士住建=が7バーディー、ボギーなしの65で回り、首位に立った。

 V3どころか予選落ちのピンチだった場面で、笹生からアルバトロス寸前のスーパーショットが飛び出した。前半1オーバーで折り返して迎えた10番パー5。4ユーティリティーで放った残り210ヤードの第2打はピン右1メートル弱へピタリ。圧巻のイーグルで一気に1アンダーまで挽回した。

 「第2打は狙い通り。イーグルは気分がいいけど、それで調子が上がることはありません」。残り8ホールはパーを重ね、首位と6打差の39位と、3連勝に可能性を残す位置で初日を終えた。

 8月のNEC軽井沢72、前週のニトリレディスではいずれもイーグルを奪い、連続優勝を呼び込んだ。優勝を呼び込む吉兆のプレーにも、本人はあくまで冷静だ。「イーグルもバーディーもボギーもダブルボギーもあるのが、ゴルフです」。この日は、雷雲接近で2時間16分も中断。「長い一日でした。でも、それもゴルフです」。ラウンド中、苦手なカエルが目の前を横切り、思わず苦笑いの場面もあったが、「びっくりしたけど、自然の中でプレーするので、それもゴルフです」と、大物感あふれる19歳はひょうひょうと話した。

 07年の全美貞(韓国)、19年の鈴木愛に続き、ツアー史上3人目の開催3試合連続優勝の期待がかかるが、笹生自身は極めて落ち着いている。「毎回、優勝することは簡単ではない。予選通過ラインぎりぎりなので、まずは予選通過することです」。ホールアウト後は夕闇の中、練習場へ直行した。

 今季4戦目で3イーグル。早くも獲得賞金5904万円で賞金女王争いを独走する新人はイーグル数ランクでも2位タイに2差をつけて独走する。パー5で2オンを狙える長打力は笹生の武器。“イーグル女王”は、さらにゴルフというスポーツに求められる自然体&冷静さを備えている。第2日、さらなる“笹生チャージ”が始まる予感が、無観客の静かなコースに漂っていた。(竹内 達朗)

 ◆笹生の今季これまでの2イーグル

 ▽NEC軽井沢72最終日(8月16日) 16番パー5(480ヤード) 残り195ヤードから6アイアンでピン2メートルへ。これを沈め右手で小さくガッツポーズ。赤黒のタイガースタイルでコースレコードに並ぶ63、逆転のツアー初優勝を果たした。

 ▽ニトリレディス初日(同27日) 前半の13番パー5(525ヤード) 前方のティーから、第1打はドライバーで左のセミラフへ。残り225ヤードから5ウッドで1メートルへ。首位と2打差の2位発進で2日目にトップに立つと、難コースの小樽CCを攻略して2戦連続V。

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