古江彩佳、ミレニアム世代最速のプロ初勝利…3勝目で観客の前で「あゆ」歌う


プレーオフでプロ初優勝を決め、カップにキスをする古江彩佳(カメラ・豊田 秀一)

プレーオフでプロ初優勝を決め、カップにキスをする古江彩佳(カメラ・豊田 秀一)

 ◆女子プロゴルフツアー デサント東海クラシック最終日(20日、愛知・新南愛知CC美浜C)

 首位で出た2000年度生まれ「ミレニアム世代」の古江彩佳(20)=フリー=が、4バーディー、ボギーなしの68で回り、通算15アンダーで並んだ東浩子(28)=加賀電子=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制し、昨年のツアー史上7人目のアマチュア優勝以来、同世代最速のプロ初勝利を飾った。大会を通してボギーなしの優勝は1988年のツアー制施行後、史上8人目の快挙で今大会では初となった。

 古江がスーパーショットで勝負を決めた。東とのPO1ホール目の第2打は、フェアウェーから残り114ヤード。ピッチングウェッジを振り抜くと、球はピンに向かっていき、旗ざおに当たり右上30センチについた。「完璧。自分を褒めたい」。3打目のウィニングパットを沈めても「普段からリアクション薄いんで」と初優勝と同じく表情は変えなかったが、「ミレニアム世代」最速のプロ初勝利には「本当にうれしいの一言」と喜んだ。

 昨年10月の富士通レディースで果たした史上7人目のアマ優勝とはひと味違った。勝負服のピンクのセットアップで、前半は「笑顔でノビノビ」と3つ伸ばし単独首位で折り返した。だが、後半は「緊張で体が動かなくなった」。得意のショットが狂い、17番までバーディーのない耐えるゴルフが続いた。アマ時代は「攻めるだけ」と怖いものなしだったが、プロ転向10戦目。勝たなければいけないという「プロ意識」による重圧で後半は苦しんだものの、3日間全54ホールをボギーなしで乗り切った。

 験を担ぐ姿勢はアマ時代と変わらない。初優勝時と同じく、今大会も晩飯で2回「とんかつ」を食べた。コースへ向かう車では、大ファンと公言する歌手・浜崎あゆみのライブDVDを流しては歌い、「今日も気持ちを上げてきた」とノリノリだった。

 昨年の優勝会見で「次勝ったら、あゆを歌います」と宣言していた。だが、今大会は新型コロナ感染対策でファンのいない無観客試合となったため計画は延期。「(次は)『あゆ歌って』とリクエストがあったら」と、ちゃめっ気たっぷりの古江。3勝目で“勝利の熱唱”を届けることを約束した。(宮下 京香)

 ◆20歳・古江彩佳に聞く

 ―プレーオフに挑む前の心境は。

 「負けて2位は悔しいので、ここまできたら勝ちたいと思っていた」

 ―優勝して自身へのご褒美は。

 「化粧品とかピアスを買えたら」

 ―「ミレニアム世代」など同世代の活躍についてどう考えているか。

 「周りのことは考えずに自分が頑張るだけかな」

 ―次戦のメジャー、日本女子オープン(10月1日開幕、福岡)に向けては。

 「優勝を狙っていきたいけど、楽しくできたら」

 ◆古江 彩佳(ふるえ あやか)

 ▽生まれ 2000年5月27日、兵庫・神戸市。20歳。

 ▽ゴルフ歴 3歳の時に母の影響で始める。17年から2年間、アマ日本代表でプレー。昨年3月に兵庫・滝川二高を卒業。同年10月の富士通レディースでアマ史上7人目の優勝を果たし、プロ転向。

 ▽憧れの選手 宮里藍さん。「藍さんのようにジュニアに憧れられる選手になりたい」

 ▽スポーツ歴 水泳。4歳から高校まで水泳教室に通った。

 ▽好きな歌手 浜崎あゆみ。カラオケの十八番(おはこ)は「BLUE BIRD」で92点の高得点。

 ▽特技 絵を描くこと。母・ひとみさんいわく、転戦中に何十本ものペンを持ち歩く。

 ▽家族 両親。

 ▽サイズ 153センチ、54キロ。

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