◆女子プロゴルフツアー メジャー第2戦・日本女子オープン 最終日(4日、福岡・ザ・クラシックGC=6761ヤード、パー72)
首位から出た原英莉花(21)=日本通運=は68で回り通算16アンダーでツアー2勝目&国内メジャー初優勝を飾った。
1998年度生まれの黄金世代では、畑岡奈紗の4勝(2016、17、19年・日本女子オープン、19年・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯)、渋野日向子の1勝(19年・ワールドレディスサロンパスカップ)に次ぐ3人目の国内メジャー優勝者となった。
原は「冷静さを失わずに戦いたい」と話し、初めて首位で迎える最終日に4打リードで臨んだ。2日連続で同学年でツアー2勝の小祝さくら(22)=ニトリ=と2サムでのラウンド。1番で2メートルを決めてバーディー発進した。6番で初ボギーを喫したが、8番で2メートルのバーディーパットを沈めた。後半も11番で第2打をピン50センチにつけバーディー、12番もバーディー、13番はチップインバーディーを奪い、3連続でスコアを伸ばすなど後続を寄せ付けなかった。
2打差3位から逆転した昨年6月のリゾートトラストレディス以来のツアー2勝目。昨年は約7077万円を獲得し賞金ランク14位と活躍した。高校時代から師事する師匠で国内男子ツアー史上最多94勝を誇る尾崎将司(73)からは「大事なのは2勝目だ」と口酸っぱく言われ続け、2月のジュニアレッスンで共演した際は「今年は一皮むけて、強いゴルファーを目指してほしい。いい時と悪い時がはっきりするようでは大した実力者ではない。安定したゴルフを見せることができれば、チャンスはある」とエールを送られていた。
コロナ禍で開幕が遅れた今季は5位、予選落ち、予選落ち、6位、44位、37位と決して満足いくものではなかった。試合のなかった先週、千葉のジャンボ邸で師匠から激励を受けた。「私が自信なさそうにしていたら『お前、来週(女子)オープンじゃないか』と喝を入れていただいた。ジャンボさんにとって(日本一決定戦の)日本オープンは大きなものなんだと再確認して、強い気持ちで挑むことができた」と、日本オープン5勝のレジェンドに感謝した。
昨年大会は3日目にぎっくり腰を発症し、52位と悔しさを味わった。6度目の大会出場となった今大会の初日(1日)は、スタート前から激しい腹痛に見舞われるアクシデントを乗り越え、68で3位と好発進すると、2日目は70で2位、3日目に66の猛チャージでトップに立ち、最後まで主役を譲らなかった。
◆原 英莉花(はら・えりか)1999年2月15日、横浜市生まれ。21歳。母のすすめで10歳から競技を始め、神奈川・湘南学院高1年時、尾崎将司に弟子入り。18年プロテストに2度目の挑戦で合格し、昨年6月のリゾートトラストレディスでツアー初優勝。昨季ドライバーの平均飛距離は253・33ヤードの4位。世界ランクは115位。173センチ、58キロ。趣味は音楽鑑賞で、シンガー・Uruの「頑な」がお気に入り。