金谷拓実、史上初プロデビュー戦メジャーV宣言「日本一を決める大会。取りたい」


練習ラウンドの1番でティーショットを放つ金谷(代表撮影)

練習ラウンドの1番でティーショットを放つ金谷(代表撮影)

 男子ゴルフの国内最高峰のメジャー、日本オープンが15日、千葉・紫CCすみれC(7317ヤード、パー70)で開幕する。今月2日のプロ転向後、初戦となるツアー1勝の金谷拓実(22)=東北福祉大4年=は14日、18ホールの練習ラウンドで最終調整。会場内でオンライン会見に出席し「優勝を目指していきたい」と宣言した。プロデビュー戦でメジャーVとなれば1973年のツアー制施行後、初の快挙。同じく世界アマランク1位だった、大学の先輩・松山英樹をもしのぐ鮮烈なプロデビューを狙う。

 輝かしい実績を持つ期待の黄金ルーキーが、ド派手なデビュー戦を飾る。金谷は会場内で行われた世界NO1のアマチュアゴルファーに与えられる「マーク・マコーマックメダル」の授与式に出席。日本人アマで初めて獲得した金色のメダルを手に笑みがこぼれた。「この日本オープンからが新たなスタート。日々、努力をしていきたい。プロになれて一層、身が引き締まる思いです。優勝を目指して頑張ります」と、後輩や大会関係者の前で堂々とあいさつした。

 安定感抜群のティーショットと勝負強い巧みなパットが持ち味だ。昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズではツアー史上4人目のアマ優勝を飾った。日本オープンは17年の2位を最高に3度、ローアマを獲得するなど相性も良く十分、優勝候補と言える。「日本一を決める大会。取りたいと強く思う」と迷いなく言い切った。

 ツアー制施行後、プロデビュー戦優勝は1979年の中四国オープンの重信秀人のみ。金谷と同じく大学4年でプロ転向した松山はプロ2戦目での初V。金谷が今大会を制すれば「怪物ルーキー」と呼ばれた“松山超え”の衝撃デビューだ。9月の全米オープンで、日米通算13勝の松山にはプロ転向を報告していた。「世界で活躍もされている松山選手は目標とする選手。年代はそんなに離れていないので、まずは松山さんのライバルと思われる選手になりたい」と力を込めた。

 次週は、松山も出場予定の米ツアーのZOZOチャンピオンシップ(22日開幕・米カリフォルニア州シャーウッドCC)に臨む。現在は世界ランク250位だが「世界ランク50位以内に早く入りたい」と金谷。プロ初戦で国内最高峰のメジャーを制し、華やかなプロ人生を歩み出す。(榎本 友一)

 ◆金谷に聞く

 ―メダルはどうする?

 「実家で大切に保管します。(ゴルフ部の)寮だと危ないので(笑い)」

 ―プロになった実感は?

 「まだ大学のユニホームでプレーしますし、後輩たちとも一緒に行動しているので。気分はアマチュアかもしれません(笑い)」

 ―プロデビュー前日の心境は?

 「日本オープンという大きな試合で、自分がどれだけできるか楽しみです」

 ―全米オープン後は?

 「2週間の自主隔離期間は、広島の自宅で家で出来ることをしていました。先週から本格的にゴルフの練習を始めました」

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ、2017年同大会も2位でローアマを獲得。18年アジア・パシフィック選手権で優勝。19年の海外メジャーのマスターズ58位、全英オープンは予選落ち。19年8月、日本男子では松山英樹以来2人目の世界アマランク1位に。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

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