横峯さくら、妊娠7か月ツアー出る 9月公表後初出場 女子ゴルファーの希望になる


9月の妊娠公表当時の横峯さくら(事務所提供)

9月の妊娠公表当時の横峯さくら(事務所提供)

 女子ゴルフで9月に第1子妊娠を公表した通算23勝の横峯さくら(34)=エプソン=が2日、妊娠7か月で今週出場する国内ツアーのTOTOジャパンクラシック(6~8日、茨城)に向け、スポーツ報知の取材に文書で応じた。8月のNEC軽井沢72(予選落ち)以来の出場で「私がプレーする姿を見せることで、他の選手の選択肢が広がったらうれしい」とコメント。来年2月下旬予定の出産を前に、現状を報告した。

 横峯は今季自身3戦目となるTOTOジャパンクラシックに世界ランク上位の資格で出場する。現在、妊娠7か月。9月8日に公表後、初の試合に向け「体調はすごくいいです。おなかも膨らんできているけどスイング自体は全然問題なくできます」とつづった。

 ドライバーの飛距離は約20ヤード落ちたというが、「(契約する)キャロウェイゴルフさんが自分に合うクラブを調整してくれた」と感謝した。胎動は感じるそうで「スイング中に動くこともあります(笑い)」。医師からは「長年ゴルフをプレーしているので、妊娠後も体調さえ良ければ試合や練習も問題ない」と言われているという。

 15年から主戦場とした米国で心境に変化があった。「米ツアーでプレーしている時に、おなかが大きくて(も)プレーしている選手を何人も見ました。それまで、妊娠したらゴルフはできないと思っていたのですごく驚きました」。妊娠中も試合に出場することが珍しくない光景に「勇気をもらえたし、人生の選択肢が広がりました。今度、日本で私がその姿を見せることで他の女子プロ選手の選択肢が広がったらうれしいなと考えていました」と明かした。

 TOTO―で“妊婦V”なら国内ツアーでは99年ヨネックスレディスの野呂奈津子以来の快挙となる。次週以降は出場権がなく、試合予定はないという。9月の妊娠発表時には「米ツアーでプロゴルファーと子育ての両立をしている他国のプロの皆さんを見て、私も憧れを持っていました」と母親になる喜びとともに「米ツアーで1勝、国内ツアーで永久シード(通算30勝)」と目標を掲げた。

 出産予定は来年2月下旬で、来年後半には競技復帰を目指す。「出産後の目標は今でも変わりません」と横峯。コロナ禍の異例の状況下でも、女子ゴルフ界の先駆者として強い気持ちでコースに立つ。(岩原 正幸)

 ◆女子プロゴルファー妊婦Vメモ 1988年のツアー制施行後、妊娠中に優勝したのは1999年8月のヨネックスレディスで妊娠6か月だった野呂奈津子(当時33)の1例のみ。出産後にツアー優勝した“ママさん選手”は、森口祐子(89年ヤマハカップレディスから11勝)、樋口久子(90年anクイーンズから2勝)、木村敏美(93年三越カップから10勝)、山岡明美(94年中京テレビ・ブリヂストンレディスから4勝)、塩谷育代(01年ヴァーナルレディスから3勝)の5人がいる。

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