古江彩佳、ミレニアム世代トップの通算3勝目「ホッとしている」初メジャーの全米女子OP出場確実に


プレーオフ3ホール目、優勝を決めて笑顔を見せる古江彩佳(カメラ・相川 和寛)

プレーオフ3ホール目、優勝を決めて笑顔を見せる古江彩佳(カメラ・相川 和寛)

 ◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 最終日(15日、千葉・グレートアイランドC)

 首位から出た古江彩佳(20)=フリー=が3バーディー、1ボギーの70で、通算12アンダーで並んだ酒井美紀(29)=国際スポーツ振興協会=とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制した。2000年度生まれ「ミレニアム世代」の先頭を走るショットメーカーが今季2勝目&20歳172日の年少4位でのツアー3勝目。22歳のバースデーラウンドの渋野日向子(サントリー)は23位だった。

 淡々とプレーする古江らしく、優勝の瞬間もキャディーと肘タッチのみで控えめに喜んだ。「最終日トップで出て、優勝できてホッとしている。楽しむことしか考えていなかった」。1番で3パットのボギーも、16番で3つ目のバーディーで酒井に並んだ。PO3ホール目、161ヤードの2打目をピンに当てるあと一歩でイーグルのスーパーショットを放った。「気持ちよく打てた」と、これまた冷静だった。

 POはプロ初優勝した9月のデサント東海クラシックに続き2勝0敗。「今季2勝目が今来るとは思わなかった。早かった」。ミレニアム世代では西村優菜(20)の1勝を大きくリードし、20歳172日のツアー史上4番目の若さで3勝目。会場に向かう車では普段通り、大好きな浜崎あゆみの歌を聴き、「行くぜ最終日!」と自らを奮い立たせてコース入りした。

 20―21シーズンの賞金ランクで4位に浮上した。国内では年内2戦だが、12月には世界ランク上位者の資格で初メジャーの全米女子オープン(10日開幕、テキサス州)出場が確実だ。近く全米ゴルフ協会から発表される状況で「出られたら経験だと思って挑みたい」と力を込めた。

 世界ランクは42位から29位前後に浮上する見込み。ポイントが国内の約5倍のメジャー次第では、来年の東京五輪争い(現状2か3枠)に加わりそうな勢いだが、「出られたらうれしい。でも今は頭にない。目の前の試合に集中するだけ」と控えめに語った。

 「一歩ずつ」「着実」という言葉がよく似合う。第2日(14日)後は、かごに入れるアプローチ練習を遅くまで行った。クラブの開きを変えて10球ずつ、計20球入るまで終わらない、「“帰れま10(テン)”という練習」と関西人らしく笑いを誘った。最終日17番は第1打をグリーン奥にこぼすも、見事な寄せでパーセーブ。「勝つことは大事なので」と、練習の成果に胸を張った。(岩原 正幸)

 ◆古江 彩佳(ふるえ・あやか)2000年5月27日、神戸市生まれ。20歳。3歳でゴルフを始め、17年から2年間、ナショナルチームで活躍。滝川二高では安田祐香(19)と同級生。昨年10月の富士通レディースでツアー史上7人目のアマ優勝を果たしプロ転向。得意クラブはドライバーで平均飛距離240ヤード。特技は絵を描くこと。愛称「エッティー」。家族は両親。153センチ、54キロ。

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