◆金谷拓実(22)=東北福祉大4年=初出場<ダンロップフェニックス優勝>
ゴルフ界の“怪物ルーキー”が産声を上げた。11月のダンロップフェニックス最終日。最大3打差を追いつき、石坂友宏とのプレーオフへ。4ホールの激闘の末、1973年のツアー制施行後4人目のアマチュア優勝を飾った昨年の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の2勝目。プロ初Vで日本シリーズ初出場も決め「自信が確信に変わりつつある」と、プロ1年目に“怪物ルーキー”と呼ばれた松坂大輔投手(当時・西武)の名言を優勝会見で口にした。
アマで日本人最多3つの海外メジャーに出場し、日本男子では松山英樹に続く2人目の世界アマランク1位になった逸材だ。10月の日本オープンでプロ転向。米ツアーから帰国後2度の2週間隔離で調整できない時期をはさみながら、3戦連続でトップ10入りしている。正確なショットに勝負強いパットで平均ストローク69・22はツアー1位。「(来年の)東京五輪出場のためには一試合、一試合が大事なので」と世界ランクも日本勢5番手の126位まで浮上した。
それでも素顔は大学生だ。「VISAもフェニックスも毎日、同じハンバーグを食べ続けて優勝。JTも近くのハンバーグ屋さんを探さないとですね」と笑う。「僕もメジャー王者の称号は欲しいです」。プロ転向後4戦目でのメジャー制覇となれば73年のツアー制施行後、最速記録を更新する。(榎本 友一)
◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ、17年同大会も2位でローアマ獲得。18年アジア・パシフィック選手権で優勝。19年の海外メジャーのマスターズ58位、全英オープンは予選落ち。今年の全米オープン予選落ち。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。