◆女子プロゴルフ新人戦 加賀電子カップ最終日(11日・千葉グレートアイランドC)
最終ラウンド(R)が行われ、首位と2打差の3位で出た22歳のセキ・ユウティン(中国)が7バーディー、ボギーなしの65をマーク。通算8アンダーに伸ばし、逆転優勝を飾った。「(新人戦は)人生で一回しか参加できないので、優勝できてとてもうれしい。いい思い出になりましたし、自信にもなりました」と笑顔をはじけさせた。
前半に2つ伸ばして後半にたたみかけた。15番、16番連続バーディーで首位の山下美夢有を捉えると、17番で約3メートルを沈めて初めて単独首位に立った。18番ではピン左奥から約4メートル半のウィニングパットを決めきり、圧巻の4連続バーディーで締めくくった。「実は最後の5、6ホールは緊張してずっとドキドキしていましたが、深呼吸して自分をコントロールできたと思います」とうなずいた。
16年に中国ツアーで賞金女王に輝き、17年から戦いの場を日本に移した。昨年日本ツアーのプロテストに合格し、ルーキーとして「ずっと勉強」と決めて挑んだ今季はここまで12試合に出場した。予選落ちした後もテレビ中継で優勝争いを見て学ぶなど、勉強を欠かさないシーズンを送った。中でも、今大会と同じコースで開催された伊藤園レディスを制した古江彩佳(20)のプレーが印象的だと明かし「古江さんは優勝争いで緊張感がある時も自分のペースだし、笑っているところもすごい。(今日の私は)まだ笑うところまでできなかったけど、緊張に負けなかった。古江さんから勉強したおかげです」と今大会の優勝につなげた。
福井県出身で、5歳まで日本で生活していた。現在の拠点は滋賀県で、コロナ禍も2月からは日本で調整を重ねてきた。20年―21年に統合されたシーズンは続く。「来年はレギュラーツアーで初優勝を目指したいです」とセキ。96年大会を制した不動裕理ら4人の賞金女王が名を連ねる“スターへの登竜門”とされる大会を制した有望株が来年の飛躍を誓った。
◇セキ・ユウティン 1998年3月5日、福井県生まれ。22歳。5歳まで日本で生活。その後、上海に移住し、7歳からゴルフを始める。14年にプロ転向。16年、中国ツアー賞金女王に輝いた。同年の最終予選会を16位で突破し、17年から日本ツアーに参戦。昨年の最終予選会で9位に入り、今季はレギュラーツアーを主に戦う。趣味は読書とカラオケ。中国ツアーの前夜祭では美声を披露していた歌姫。家族は両親と妹。171センチ、63キロ。