左右両打ちの“二刀流”高橋慧「名前売る」…JTネクストプレーヤーズカップ17日開幕


富士山をバックにグリーンで調整するJTネクストプレーヤーズカップの出場選手たち(カメラ・越川 亘)

富士山をバックにグリーンで調整するJTネクストプレーヤーズカップの出場選手たち(カメラ・越川 亘)

 ゴルフ日本シリーズJTカップpresents「ネクストプレーヤーズカップ」は17日、静岡・三島市のグランフィールズCCで無観客で開催される。ツアー外の特別大会で、1日18ホールのストロークプレー。超異例となる左右両打ちの“二刀流”高橋慧(22)=セゴビアGC・イン・チヨダ=は16日、18ホールの練習ラウンドを行い、3番では第1打を右で打ち、第2打は左打ちを披露するなど念入りに調整。来年の飛躍につなげる“プロ初V”を狙う。

 ゴルフ界では類を見ないスイッチヒッターが大会制覇に挑む。高橋は基本は右打ちだが、この日も3番の第2打で一度、残り120ヤードから左打ち用の9アイアンを握り、グリーン手前まで運んだ。「寒さもあってちょっとグリーンに届かなかったけど、ショット自体の感触は良かった」と手応えを口にした。

 8歳でゴルフを始め、最初は右打ちだったが、半年後に父・良実さんから「面白いからやってみろ」と勧められ左打ちも始めた。普段はおとなしい性格だが、ゴルフでは目立ちたがり屋な面もあり「名前を売るきっかけになる」と両打ちを継続。今では「林からショットを打つ時や残り距離によって左右を打ち分けている」と自身だけの武器となっている。今大会は14本中、7~9アイアンの3本の左打ち用クラブを入れて臨む。

 今年は10月の日本オープンで自己最高9位に入った。11月までの賞金ランクは31位で、繰り上がりで20年のツアー最終戦、日本シリーズJTカップの出場圏内にいた。だが、今季の出場権を懸けた昨年の予選会を突破しておらず、ツアーメンバーではなかったため、出場はかなわなかった。「試合の準備と並行して冬場のトレーニングも始め、どっちでもいいようにしていた」と淡々と語るが、憧れの大舞台への思いは募る。

 21年のツアー出場権を懸けた予選会も通過できなかったため、来年も出場権を持たない。「マンデー予選会に出られるチャンスがあるならば、全部挑戦するつもり」。今大会最年少の22歳は“プロ初優勝”で、来年の飛躍に向けて弾みをつける。(宮下 京香)

 ◆左右両打ちの選手 女子でツアー通算5勝の服部真夕(32)は右打ちだが、ここ数年、アプローチでイップスを発症し、今季ツアーではアプローチの時にだけ左打ちで戦った。ツアー通算31勝で永久シードを保持する片山晋呉(47)は右打ちだが、「スイングのバランスをつかむため」に左打ちで練習を行う。

 ◆ゴルフ日本シリーズJTカップpresents「ネクストプレーヤーズカップ」 新型コロナ禍でのツアー外の特別大会で、無観客開催で賞金ランキング加算はなし。1日18ホールのストロークプレーで、賞金総額1500万円(優勝賞金300万円)。「次の年」と「21年の日本シリーズJTカップ」での活躍を願い、大会名は「ネクストプレーヤーズカップ」と名付けられた。

 ◆高橋 慧(たかはし・けい)1998年3月2日、栃木・鹿沼市生まれ。22歳。8歳でゴルフを始め、新潟・開志学園高3年時の2015年7月のダンロップスリクソン福島オープンに初出場。同年12月にプロ転向し、昨年5月、プロデビュー戦の関西オープンで64位。今年10月の日本オープン9位が最高。得意クラブは両打ちとも9アイアン。166センチ、62キロ。家族は両親と弟。趣味はゴーカート。

最新のカテゴリー記事