驚異のエージシューター田中菊雄の世界141 武藤一彦のコラム-年間305Rで705回


 2020(令和2)年末、田中さんのエージシュート数は705回に達した。12月31日、ホームコースのよみうりゴルフクラブ年末恒例のカウントダウンコンペ、インスタート44のあと、アウト41、出遅れを後半で挽回して年令と同じ85にまとめた。20年は1月11日、沖縄の喜瀬カントリークラブを41,39の80で新年初エージシュート。以来、この1年でエージシュート199回を積み上げ、通算705回の大台達成、満足である。
 ただし、エージシュートは年令が基準。誕生日が来て、歳が1つ加わって新たな年度が始まる。今回の数字はあくまで参考に留めたい。田中さんは3月3日生まれだから、3月2日までのあと2ヶ月でエージシュートが何回出るか、でその真価が問われるからだ。ちなみに、達成年齢別では83歳時の125回がこれまでの最高記録である。いまの調子はその最高記録ペースを上回っているから2か月後が楽しみだ。
 とはいえ、年間記録は驚きの数値をはっきりと示して驚異的である。
 まず年間のラウンド数だが、1年間で305ラウンドに達した。ちなみに12月のラウンドは29ラウンドを数えた。1ヶ月で休んだのは2日だけ。11月も29,10月は28回ラウンドした。
 2020年はうるう年で366日と例年より1日多かったが、内305日、田中さんのスタミナには驚くしかない。
 「2月に23ラウンドでエージシュート10回。3月も23ラウンドやったら倍の20回。8月だった。25ラウンド回ると全ラウンドでエージシュートが出た。体力にも問題がないことがわかって、ラウンド数を意識した。やればできる、という言葉は、エージシューターのためにあると思いました。プレー回数を増やせばエージシュートはできる。ギネスブックを意識している身にはうれしい現象でした」と笑った。  年間305ラウンドへのこだわり。エージシュートの副産物としてとんでもない記録が生まれた。新型ウイルスによるコロナ禍のさなか、ゴルフでもないだろうという声もあるだろうが、400人の従業員を抱える北山グループの会長だ。ゴルフは昼過ぎにラウンドを終え、午後は会長職、家で食事をしたことがないという多忙な生活である。広いコースで“3密”を避け健康維持はいまどきの過ごし方としてはもってこいの健康法と取り組む。
 この1年、田中さんのエージシュートへの取り組み方は変わった。記録へのこだわりに出てきたというか、強い意欲を感じる。そのあたりを聞くと「皆さんが面白がって後押ししてくれるのだから頑張ろうと思う気持ちが強くなっている。それが支えになってやっているとまた新たな目標が生まれ、それらを一つ一つ解決していく面白さが励みとなって、また頑張ろうと思える」ニコニコと笑うのだ。

 

 ◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。85歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。