稲見萌寧、3打差単独首位に浮上「優勝を意識しながら、逃げ切って勝ちたい」


17番、惜しくもバーディーパットを外し、足を上げて悔しがる稲見(カメラ・渡辺 了文)

17番、惜しくもバーディーパットを外し、足を上げて悔しがる稲見(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー 明治安田生命レディス第2日(13日、高知・土佐CC)

 3位から出た稲見萌寧(21)=都築電気=が7バーディー、1ボギーのベストスコア66で回り、通算10アンダーで2位に3打差をつけて単独首位に浮上した。99年度生まれ「はざま世代」の筆頭がツアー3勝目に王手をかけた。渋野日向子(22)=サントリー=は自身ツアー2度目のバーディーなしとなる76で2オーバー38位に後退。4月から長期の海外遠征に出る可能性を示唆した。

 海沿いのコースは最大瞬間風速18メートルを記録するほど過酷だった。「台風に近い」と表現した稲見は1番で1メートル、3番で2メートルとショットをピンに絡めると、後半も3つ伸ばしベストスコア66で3位から首位に浮上。「いろんな方向から風が回っていた。ジャッジが大変かなと思ったけど、冷静に判断してチャンスにつけられた。今日は80点」と胸を張った。

 昨夏、メジャー初出場したAIG全英女子オープン(予選落ち)で「暴風雨」を経験。昨年10月に2勝目を飾ったスタンレーレディス(静岡)では強風を「ゴルフ日和」と振り返った。「風の強い時を経験して、ショットのタイミングの取り方も良くなってきた。以前から球が強いのに加え、冷静に考えられるようになった」と分析した。

 渋野らを擁する98年度生まれ「黄金世代」と古江らの00年度生まれ「ミレニアム世代」との中間世代だ。「はざま世代」の筆頭は昨年1勝したが「ティーショットで曲がるのが怖く振れなくなった」と課題を見つめた。オフは10~15ヤードの飛距離アップを目指し、「小さい頃は男子を蹴り飛ばしたり(笑い)。もともと好きだった」というキックボクシングトレを週5、6ペースで初導入。さらに、1日4食で体重は5キロ増えて62キロになった。

 世界ランクは日本勢5番手の63位。東京五輪自力出場の15位以内浮上に意欲を見せる21歳は「もちろん優勝を意識しながら、逃げ切って勝ちたい。重圧はあった方がいいので」と、強気に3勝目を見据えた。(岩原 正幸)

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年7月29日、東京都生まれ。21歳。9歳でゴルフを始め、18年のプロテストに一発合格。19年7月のセンチュリー21レディスでツアー史上15人目となる10代で初優勝。同年のパーオン率で78・2079%のツアー1位に輝く。昨年10月のスタンレーレディスで2勝目。日本ウェルネススポーツ大に在学中。憧れはタイガー・ウッズ。166センチ。家族は両親。

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