松山英樹、予選突破で恩師に送ったサインボール 16年全米プロ…04~07、16年担当記者が見た


◆米男子プロゴルフツアー メジャー21年初戦マスターズ最終日(11日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7475ヤード、パー72)

 松山英樹(29)=LEXUS=が日本男子初の海外メジャー制覇を達成した。歴代担当記者が独自の視点で松山を「見た」。

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 心の底から、うれしそうだった。16年7月の全米プロ。松山は5打差9位という好位置で決勝ラウンドに駒を進めた。決勝進出は、メジャーでは3戦ぶりだった。6月の全米オープンと7月の全英オープンでは予選落ち。初めてメジャー2大会連続で予選落ちの屈辱を味わった。

 ラウンド後、応援に駆け付けていた東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督へ取材に行くと、こちらもニッコリだった。聞くと、本人からサイン入りのボールをもらったという。阿部監督は「予選を通っただけでボールをもらったのは今回が初めてだ。やっぱりうれしかったんだと思うよ」と、感慨深そうだった。

 「新聞に書いてもいいですか」と阿部監督に聞くと、「優勝したらな。メジャーで優勝したら書いていい」との答えが返ってきた。報道陣には見せないが、それほどまで追い込まれていたということか。“怪物”とも呼ばれる松山の人間らしい一面を見た気がした。

 4位に終わった同大会後、「冷静になって、メジャーで勝つためにはどうしたらいいか考えたい」と語っていた松山。17年以降、メジャーで2大会連続で予選落ちしたことはない。“屈辱”も力に変え、栄冠をつかんだ。(04~07、16年担当・高橋 宏磁)

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