松山英樹が泣いた「何をしたら勝てるのか」17年全米プロ…12、17~21年担当記者が見た


◆米男子プロゴルフツアー メジャー21年初戦マスターズ最終日(11日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7475ヤード、パー72)

 松山英樹(29)=LEXUS=が日本男子初の海外メジャー制覇を達成した。歴代担当記者が独自の視点で松山を「見た」。

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 松山がこれまで最もメジャー制覇に近づいた試合を取材した。17年8月の全米プロ。しゃく熱のコースで、最終日の10番まで単独首位に立っていたが、11番から3連続ボギーをたたき、同組のジャスティン・トーマス(米国)に競り負け3打差5位に終わった。

 地元びいきの米国人ギャラリーは、トーマスが好プレーを見せるたびお祭り騒ぎのような大歓声で背中を押した。18番グリーンに向かう時、西日を浴びて勝者と敗者のコントラストがくっきりと描かれ、松山は肩を落として歩いた。

 テレビインタビュー後、タオルで顔を覆い、しゃがみ込んで泣いた25歳の姿は衝撃的だった。メジャー前週のブリヂストン招待でツアー5勝目を挙げ、当時世界ランク3位(試合後に2位)と勢いに乗っていただけに、「何をしたら(メジャーで)勝てるのか分からない」と、ぼう然としていた。

 あれから4年、勝ち星から遠ざかり、まずはツアーでの優勝を欲していた。この日のオーガスタの18番、本場のギャラリーを味方につけ、惜しみない拍手を送られた光景は感動的だった。(12、17~21年担当・岩原 正幸)

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