イ・ボミが今年最高9位発進「海を見ながら素晴らしいコースを回れることを感謝しました」


18番で第2打を放つイ・ボミ

18番で第2打を放つイ・ボミ

◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス第1日(23日、静岡・川奈ホテルGC富士C)

 前週まで5試合連続で予選落ちしている韓国のイ・ボミ(32)=延田グループ=が3バーディー、ボギーなしの68で回り、今年最高の9位でスタート。今年は7試合で6回も予選落ちしているが、体全体を意識したバックスイングでショットが安定。2015、16年に賞金女王に輝いた人気プロが復調気配を見せた。18年大会でツアー初優勝を飾った永峰咲希(25)=ニトリ=が65で首位。1打差2位に田辺ひかり(24)=伊藤園=が続く。

 美しいシーサイドコースで、イ・ボミの美しいスイングが復活した。

 「バックスイングを手で上げてしまっていた。そこが問題だと思って、体(全体)で動くように意識したらショットが良くなった」。現在、コーチを置かず、一人でスイングを模索しているボミは、自身に言い聞かせるように話した。

 今年の7試合で予選通過は1度だけ。先週まで5試合連続で予選落ち。初日はすべてオーバーパーだったが、この日は18ホール中、14回でパーオンに成功。「そこからパットに集中できた」。好循環で首位と3打差9位。今年8戦目にして最高のスタートを切った。

 ツアー通算21勝。15、16年は2年連続で賞金女王に輝いた。当時は圧倒的な強さを誇り、日本国内でも大人気となったが、18年には賞金ランク83位に急落。19年は盛り返したが、コロナ禍で統合された20―21年は前週まで77位と低迷している。

 苦戦が続く中、2週間前に同僚プロのイ・ナリ(32)からもらった本の一節が心に響いたという。「一生懸命に頑張ってもできない時がある、と書いてあって、気が楽になった。賞金女王になった時に運を全部、使ったのかな、と最近、思いました」

 日本屈指のリゾートコースでプレーする喜びも、はっきりと思い出した。「海を見ながら素晴らしいコースを回れることを感謝しました」としみじみと話した。19年に韓国の俳優イ・ワンさん(37)と結婚。「コロナ禍が終わったら、ここで家族でプレーしたいですね」と笑顔。ボミは今、長いトンネルから、ようやく抜け出そうとしている。(竹内 達朗)

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