ヨーロッパゴルフ場巡りとプラスαの楽しみ方<2>


カンヌ・マンドリューオールドコース

 

 ここは、南仏、海岸線の一等地に広がる18コースのオールドコースと9ホールのル・グランデュックコースです。国際映画祭で有名なカンヌと隣接するマンドリューゴルフ場は、フランスのリゾートゴルフ場で人気の高い場所の一つです。

マンドリューオールドコース入口

マンドリューゴルフコース正面玄関


クラブハウス内レストラン


 オールドコースと名前がついているだけにその歴史は古く、1891年創設、フランスで5番目に古いゴルフ場です。その発祥は、ロシア革命が起こる以前のロマノフ王朝時代のミハエロビッチ大大公(ル・グラン・デュック)がロシアから亡命してこの地に居を定めた間に、ゴルフ好きな大大公が、この場所にゴルフコースを建設したことに始まります。現在、ここの9ホールコースが、ル・グラン・デュックコースと呼ばれるのは、その所以です。
 折しも、フランスでは、パリ(P)からリヨン(L)、マルセイユ(M)の大動脈に鉄道を建設、その名も、PLM鉄道。この鉄道に付随して、ホテルが建設されたり、道路が整備されたり、この地域の観光ブームに火をつけました。当時から観光客の関心を集めていたパリ、そこから出かけるフランス全土の旅は、鉄道を建設することによって加速され、それまでは、海のリゾートというと、パリから近い、大西洋側のいくつかの有名なリゾートの人気が高かったのですが、もっと明るい、気候温暖で、自然の岩と紺碧の海のコントラストが美しいコートダジュールへと人々は、惹かれるようになっていきました。
 南仏、コートダジュールの人気の秘密は、他にもたくさんあります。まずは、世界3大映画祭の一つに数えられるカンヌ国際映画祭。毎年、5月の2週間は、世界中のスターや映画関係者がここに集合し、ショウビズの華やかな世界が繰り広げられます。風光明媚な景勝地にスターがたたずむ姿は、世界中に報道され、人々の憧れの地となりました。
 また、印象派の画家たちの動向も大きな要因の一つです。よりビビッドな色を求めて、ブルターニュ地方からそのモチーフを自然光のまぶしい南仏へと、ゴーギャンやゴッホなどが移住、その後、マチスやピカソ、シャガールなど数々の画家達が、南仏で活動し、最後の時期を過ごしました。

 

 ニース国際空港から20kmほど、車で30分のカンヌ・マンドリューゴルフ場は、白い砂浜ビーチに沿って開かれたコースで、海へとつながるマリーナからの河口口を、ゴルフ場専用の渡し船で渡りながら、バカンス気分満喫のゴルフが楽しめます。平坦なゴルフ場は、リタイア族向き、でも、松林で区切られたコースは結構長く、バンカーも多く、難しいコース設計となっています。この松林、まるでビーチに花咲くパラソル同様、夏の暑い時のゴルフには、日陰を作ってくれて、本当に助かります。

ゴルフコース内渡し船

ゴルフショット


マンドリューゴルフオールドコース18ホール目

パラソル型松の木


 リゾート感覚で楽しめるマンドリューゴルフ場では、バカンス客向けにいろいろなパッケージゴルフ商品があり、特に、ここの英国調の美しい建物内のレストランでプレイ後、ランチを取るという、ランチ付きゴルフは人気が高いです。グリーンの芝生と海風が優しいテラスでの午後のひととき、ゆったりした1日が流れていきます。通常、18ホールのプレイフィーは、100ユーロなので、プレイフィーと食事代で90ユーロというのは、お得感があります。そのほか、回数券や各種パッケージ料金が設定されているので、こちらのサイトをご覧ください。
Les offres de saison du Old Course Cannes Golf Links (golfoldcourse.com)

 

 フランスでは、温暖なこの地域、もちろん年間通してゴルフができるので、ジュニア育成プログラムも充実しており、フランス人、トッププロのヴィクトール・デュビュソン選手が所属していることでもわかります。
 シャモニーではゴルフ場の閉鎖する冬の間は、私たちもしばしばこちらへ来てゴルフプレイ。日本の本州から沖縄へ行くような感じで、アルプスの麓から行くと、まさに天国のような温かさ。ゴルフをやったり、海岸を散歩したり、美味しい食材を求めて市に出向いたり、ローマ時代から開かれたこの地域の鷲巣村と呼ばれる美しい村々を訪ねてみたり、楽しい南仏ライフを満喫できます。
 近隣には、いくつもゴルフ場があるので、毎日、場所を変えてゴルフをプレイするのも面白いです。(カンヌ・マンドリュー地域には、5コース、香水で有名なグラースには、7コース、サンラファエルに、2コースなど、30分圏内に30以上のゴルフコースがあります。)フランスの中で最もゴルフの盛んな地域と言っても過言ではありません。

 

 さて、せっかくコートダジュールへ来たのですから、海に繰り出してみましょう。最も手軽に船で行けるのは、カンヌ湾内にあるレラン諸島のサントノラ島とサントマルゲリータ島。20分ぐらいの船旅でこの2つの島に渡ることができ、サントノラ島には、レラン修道院があり、カンヌで醸造される唯一のワインを所望できます。ワインテイスティングをしながら、木陰のカフェでひと時を!高級ブティックが軒を連ねるスノッブなカンヌのイメージからちょっと解放されて、自然の森やブドウ畑に囲まれたのんびりした雰囲気が味わえます。
 海岸線をサンラファエル方面にドライブすると、赤い岩石の奇岩群と紺碧の青というのは、この色かと思わせる美しい海が織りなす、これぞコートダジュールという風景に遭遇します。夏の期間、こうした自然の造形物を海から眺めるようなクルージングなどもあり、また、車だと、半島の突端で行きにくいサントロペまでも船で行くことができます。朝の船で出かけ、夕方の船で戻るサントロペ1日散策も可能です。人気のコートダジュールは車の渋滞も激しいので、時には、こうした船の旅も解放感があってうれしいです。

カンヌクロワゼット通りの瀟洒なホテル

カンヌクロワゼット通り俯瞰


カンヌ湾内レラン諸島


カンヌ唯一のサントノラワイン

修道院のあるサントノラ島


岬の突端のスノッブな村サントロペ

アンティーブピカソの最後の住居ピカソ美術館


 私たちもすっかりこの地域に魅了され、ゴルフ場に隣接する海の近くにアパートを購入、レンタルアパート(4-5名用)として、皆様に活用していただきたいと思いますので、興味のある方は弊社までお気軽に日本語で、お問い合わせを。(メール:apjapon@wanadoo.fr 電話:+33680645363)

 

◆神田美智子
フランス・シャモニー在住。大学を卒業後、スキーツアーのコーディネーターとして、海外スキー場に何度も足を運ぶうちにすっかりヨーロッパアルプスに魅了され、その後、スキー雑誌の海外特派員として原稿を書くかたわら、現在のシャモニーで日本人アルピニストと結婚。夫婦そろってゴルフが趣味で、バカンスの度に世界中のゴルフ場を息子2人も一緒に連れ回っているうちに、息子たちもゴルフ好きとなり、1人は、高校からカナダのゴルフアカデミーに行った後、カナダのヴァンクーバーアイランドで7年間、CPGAのゴルフインストラクターとして働いた経験があり、もう1人の息子は、現在、プロツアーのキャディとして日本、アジア、ヨーロッパのツアーにプロゴルファーと同行。

 

シャモニーでは1994年より個人旅行を専門とした日本人観光客向けの各種ツアーや宿泊予約などの手配をするフランス法人の旅行会社、アルプ・プランニング・ジャポンを経営し、12名が宿泊可能な宿泊施設、シャレージャポニヤールを所有。その他、テレビ番組制作の現地でのコーディネートを多数てがけ、オリンピック、パラリンピック、サッカーワールドカップのような大きな大会では、NHKのコーディネーターとして活躍。
お問合せは、アルププランニングジャポンへ。