女子ゴルフのメジャー第2戦、全米女子オープンは3日(日本時間同日夜)に米カリフォルニア州オリンピックC(6457ヤード、パー71)で開幕する。昨年12月の前回大会で4位の渋野日向子(22)=サントリー=は1日、会場で調整。東京五輪代表入りへ日本勢4番手の世界ランク30位から浮上を狙う。予選ラウンドで同組の畑岡奈紗(22)=アビームコンサルティング=ら日本勢は11人が出場する。
渋野はこの日午後、練習ラウンドで8ホールを回った。1924年に開場した米国屈指の名門コースはフェアウェーが狭く、ラフも深いうえに海風も吹く。「激むず。これまでで一番難しい。80を切れる気がしない」と、難コースに悲鳴を上げた。
東京五輪代表決定の28日までは今週と全米女子プロ選手権(24~27日)のメジャー2試合のみ。その間、国内で4試合を戦う日本勢2番手の稲見萌寧(24位)を超えるだけの活躍が求められる。今週ポイントで追いつき、出場圏内に浮上するには6位前後の成績が必要となりそうだ。
渋野は初出場した昨年12月の前回大会、3日目を終えて1打差の首位だった。最終日に74で4位となり、悔し涙を流した。当時は世界ランク13位で日本勢2番手だったが、現在は30位で稲見、古江彩佳(27位)を追う立場となった。今季から取り組むトップの位置が低いスイングを体になじませる段階で、今年は国内で11位、米ツアーで31位が最高成績と、早急な結果は求めていない面もある。3月の渡米前には「今は五輪より米ツアー」とも話した。
それでも、ソフトボールのエース・上野由岐子(38)に憧れ、五輪への思いは強く持っている。2週前の前戦後は「最終日にいいパフォーマンスができるように頑張りたい。自分の実力を発揮できるように」と、全米女子OPへ決意を語った。4月からの海外遠征は3か月目となり、ポイントの高いメジャーで猛チャージを期した。
◆大坂なおみに理解「アスリート半分は同じ気持ち」
渋野が、記者会見を拒否して精神的な負担の大きさを訴えた女子テニスの大坂なおみについて「半分くらいのアスリートの皆さんは大坂選手の気持ちが分かるんじゃないか。私もどっちかというと分かる。正解は分からないが」と理解を示した。3日から行われる全米女子オープンの会場で語った。
自身も2019年8月のAIG全英女子オープンを制し、日本人で2人目のメジャー覇者となったことで一躍、脚光を浴びる存在となった。同年後半からは成績にかかわらず、毎ラウンド後にメディア対応をこなした。ゴルフ以外の質問に対しても笑顔で応じてきた。「調子が悪いときは自分の中だけで整理したい。口に出すのは個人的にはすごくつらい。ただ、それがプロとしての使命。でも難しい」と本心を語った。
自らに関する報道との接し方については「自分の名前が出ていると、やっぱり気になる。おもしれーなー、と思いながら見ています」と明るく語った。