◆女子ゴルフ 日本女子アマチュア選手権 最終日(18日、鳥取・大山GC=6638ヤード、パー72)
2年ぶりに開催された日本女子アマチュアゴルフ選手権は、4打差5位から出た尾関彩美悠(あみゆ、岡山霞橋GC)が、4バーディー、ボギーなしの68で回り、通算10アンダーで逆転の初優勝を果たした。大会2日目の16日に18歳の誕生日を迎えた尾関は、2日遅れの誕生日プレゼントを手にし「優勝は無理だろうなと思っていたので予想外でした。『やったー!』みたいな気持ちです」と声を弾ませた。
最終組の1組前でプレーしていた尾関は14番でバーディーを奪い、4打差あった首位の手塚彩馨(TEAM KGAジュニア)を捉えた。続く15番でも上り2メートルのフックラインを読み切って沈め、通算10アンダーに伸ばして逆転。1打差を追う手塚が、18番で入れればプレーオフとなる6メートルのバーディーパットを決められず、先にプレーを終えていた尾関に優勝の知らせが届いた。場内にはスコアボードがないため、驚いた様子で祝福のウォーターシャワーを浴びた。
岡山作陽高3年の尾関は、2019年8月のAIG全英女子オープンで優勝した渋野日向子(サントリー)の後輩にあたる。在籍期間はかぶっていないものの、姉・沙綺(さあや)さんが渋野と同学年だったため、以前から親交があった。「『渋野の後に続け!』と言われるけど、プレッシャーではなくて、日向子ちゃんのおかげで高校が注目されるのはうれしい。日向子ちゃんみたいに頑張りたい」と先輩が活躍する姿に刺激を受けた。
“彩美悠”という名前には、「あざやかに、美しく、悠々と」という意味が込められている。1回で正しく読まれたことはほとんどないと苦笑いだったが、「父があまりいない名前を付けたいとすごく考えてくれた。気に入っています」とにっこり。名前の通りの“あざやか”な逆転劇で日本一のタイトルを獲得した。