◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス第2日(19日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6550ヤード、パー72)
女子も東京五輪の代表争いが佳境を迎えている。世界ランク日本勢3番手から逆転代表入りを狙う古江彩佳=富士通=は、37位で出て5バーディー、3ボギーの70。代表圏の日本勢2番手を死守したい稲見萌寧(もね、ともに21)=都築電気=は56位から出て69で回り、ともに通算2アンダー27位に浮上した。20日の最終日は同組で“直接対決”に挑む。68の森田遥(24)=新英ホールディングス=ら2人が8アンダーで首位。
初日37位と出遅れたが、古江は闘志を保ち続けた。7番ボギー直後の8番パー4、残り125ヤードの第2打をピン左3メートルにつけると下りの難しいパットを決めきりバーディー。集中力を高める秘けつは「おなかをすかさない」ことだという。ハーフターンでしっかり「おにぎりとトマト」を補給すると、後半も2つのバーディーで伸ばした。27位まで浮上し「目の前に集中することだけを意識していた」と、うなずいた。
28日の五輪代表決定まで今大会を含めて残り2戦。日本勢は世界ランク上位2人が出場権を得る見通しで同10位の畑岡奈紗は当確。残り1枠を24位の稲見、28位の古江、米ツアー参戦中で、31位の渋野日向子(22)が争う。
この日、世界ランクで先行する稲見も69と伸ばし、古江と27位で並んだ。20日の大会最終日、2人はくしくも同組になった。1歳差で普段は談笑もする仲だが、“直接対決”へ、パッティング練習場では背中合わせで調整し、言葉を交わすことはなかった。だが、古江は「うまい選手。プレーを見られるのもうれしい」と重圧を感じさせなかった。
仮に稲見が今大会を3位以上で終えた場合、古江は43位以下(単独で換算)で代表入りの可能性が消滅してしまう。逆転五輪へ「相手は相手。自分は自分」と言い聞かせた。
アマチュア時代にナショナルチームでプレーし、日の丸への思いは人一倍だ。五輪は幼い頃にテレビで「(フィギュアスケートの)荒川静香さんのイナバウアーも見ていた」と憧れを抱いてきた。夢舞台へのチャンスはまだある。古江は開幕前から唱える「自分に集中」を貫き、五輪切符に食らいつく。(宮下 京香)
◆稲見と古江の五輪代表入りの可能性 今大会で稲見が優勝した場合、古江は3位以下で代表入りの可能性が消滅する見通し。一方、古江が優勝した場合については稲見が3位以下なら、世界ランクに基づく五輪ポイントランクが逆転する見込みで、両者とも次戦のアース・モンダミンカップ(24日開幕・千葉)に可能性を残す。