◆女子プロゴルフツアー 海外メジャー第3戦 全米女子プロ選手権 第3日(26日、米ジョージア州アトランタ・アスレチッククラブ=6740ヤード、パー72)
渋野日向子(22)=サントリー=は、帯同キャディーに新型コロナウイルス陽性判定が出たため、急きょキャディーを変更する緊急事態に見舞われた。57位から出ると、前半の17番パー3で池ポチャ4度で「10」を叩く悲劇もあり、76で通算6オーバーの68位に後退。試合後に号泣し、今大会後に決まる東京五輪代表入りは絶望的となった。
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渋野選手の第3Rは神様が与えた試練のような一日でした。プレーできるのかという不安に、帯同キャディーへの心配も抱えながらコースにたった1人で入って、言葉の通じない外国人キャディーと初めて組んだ。コロナ禍だからこそ起きた不測の事態ですが五輪への重圧もあり、ものすごくタフな一日でした。
それでも全体的に好調で、果敢に攻め続けました。池越えの17番は追い風でグリーンの手前が5ヤードしかないピン位置。1打目はピン上にキャリーさせるはずが、少し当たりが薄かったんだと思います。3打目以降はドロップエリアからの距離を間違えていたそうですが、帯同キャディーなら防げたミスかもしれません。
それでも諦めないのが彼女の強さ。後半3バーディーを奪い、2アンダーで回った。4番は池越えのパー3で3メートルにつけてのバーディーで、本当に立派でした。厳しい状況でも逃げずにやるべきことをやり抜いた。この経験でさらに強くなると思います。最終Rは、3か月の遠征で培ったものを出し切ってほしいです。(女子プロゴルファー・諸見里しのぶ)