ゴルフ界の裕次郎が嵐を呼ぶ!…大堀裕次郎、史上初の選考会からメジャー優勝へ2差7位


1番ティーショットを放つ大堀裕次郎

1番ティーショットを放つ大堀裕次郎

◆報知新聞社後援 国内男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権 第2日(2日、栃木・日光CC=7236ヤード、パー71)

 6月28日の出場選考会5位で出場権を獲得したプロ9年目の大堀裕次郎(29)=フリー=が、71位で出て8バーディー、1ボギーのベストスコア64をマーク。通算6アンダーで首位と2打差の7位に浮上した。右足首の手術とティーショットの不調などを経て、19年9月以来、ツアー9戦ぶりに予選突破。“石川&松山世代”の伏兵がツアー初となる選考会からの出場でメジャー制覇に挑む。18、19年賞金王・今平周吾(28)=フリー=、芦沢宗臣(26)=田辺CC=が8アンダーの首位。

 連日の雨雲の下、嵐を呼ぶ伏兵がV戦線へ浮上した。大堀はショットで強気に攻めた。18番で残り135ヤードからの2打目をベタピンにつけて伸ばすなど、パーオン率は全体3位の83・33%を記録。約1年10か月ぶりの予選突破を果たした。「もうシードもないし、失う物もないので、今日は思い切ってやろうと思ったらこのスコアになりました。予選会からすごいショットが良かったので、自信を持っていけました」と端正なマスクを緩ませた。

 通算17勝の石川、日米通算14勝のマスターズ王者・松山英樹と同世代。アマチュア時代から2人としのぎを削り、注目を浴びた。プロ転向後、16年から賞金シードを獲得。17年は2戦で最終日最終組で回るなど初優勝が期待されたが、あと一歩届かず。19年2月には右足首を捻挫。「シードもあるから」とかばいながらプレーを続けるとティーショットが乱れて成績が急降下。賞金シードも失った。

 再起を期して昨年のクリスマスに足首の手術に踏み切った。今年3月、親交の深い小平智(31)に誘われて米国で合宿。約半年ぶりにクラブを握り、米男子ツアーで小平のキャディーも務めた。通算12勝のストリッカー(米国)、メジャー3勝のシン(フィジー)と同組。世界の名選手のプレーを間近で見て「一日通して波風立たずにプレーしているのがすごい。この気持ちで自分もプレーできたら」と大きな収穫を得た。

 6月にツアー初優勝を遂げ、大ブレイク中の木下稜介(29)は大阪学院大の同級生だ。大堀は今年は下部ツアーが主戦場だが「『あいつに優勝できるならお前も出来る』と周りに言われます。自分も頑張らないと。鼻を折ったらな、あかんですね(笑い)。明日からもガンガン攻めるのみ」。苦難を乗り越えた29歳が、予選会からのメジャー初Vという歴史的なドラマを演じる。(榎本 友一)

 ◆大堀 裕次郎(おおほり・ゆうじろう)1991年11月20日、兵庫・西宮市生まれ。29歳。10歳でゴルフを始め大阪学院大高1年の07年に石川遼らとジュニア日本代表に。大阪学院大4年の13年に関西アマ、日本アマ優勝。14年プロデビュー。16年から18年まで賞金シード入り。17年のRIZAP・KBCオーガスタとホンマツアーワールドカップの3位が最高成績。182センチ、80キロ。血液型B。家族は両親、兄、姉2人。

 ◆日本男子ツアーの予選会突破からの優勝 1973年のツアー制施行後では過去6人。〈1〉1979年フジサンケイクラシックの佐藤昌一〈2〉79年日本国土計画サマーズの三上法夫〈3〉85年三菱ギャランのB・ジョーンズ〈4〉2004年ABC選手権の井上信〈5〉10年セガサミーカップの小山内護〈6〉19年アジアパシフィックオープン・ダイヤモンドカップの浅地洋佑。

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