稲森佑貴が3勝全て日本タイトルの快挙逃す 18番痛恨ボギー2位 「悔しさバネに全英で頑張る」


通算13アンダーで優勝した金成を祝福する(右から)稲森佑貴、池田勇太

通算13アンダーで優勝した金成を祝福する(右から)稲森佑貴、池田勇太

◆報知新聞社後援 国内男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権 最終日(4日、栃木・日光CC=7236ヤード、パー71)

 1打差2位で出た稲森佑貴(26)=国際スポーツ振興協会=は3バーディー、2ボギーの70で回り、通算12アンダーで今年自己最高の2位だった。2勝している日本オープンに続き、ツアー史上初の初優勝から3勝がすべて日本タイトルの快挙は逃したが、15日開幕の海外メジャー、全英オープン(英ロイヤルセントジョージズ)に向けて弾みをつけた。2打差3位から出た金成(22)=韓国=が68で回り、13アンダーで日本ツアー初優勝をメジャーの舞台で飾った。

 つかみかけた3つ目のメジャータイトルは幻と消えた。首位に並んで迎えた最終18番。稲森はグリーン奥エッジから5メートルのパーパットがカップ手前で左に外れると、悔しそうに鉛色の雨空を仰いだ。「一か八かで。フックラインをショートだけはしたくないと思って、強く打った。思いの外切れましたね」と淡々と振り返った。

 持ち味を発揮して堅実に攻めた。フェアウェーキープ率5年連続1位の26歳は、この日も全体トップの85・71%。ただ、ティーグラウンドが後ろの打席を使用するホールが多く、飛距離で劣る稲森にはチャンスを多く作るには厳しい設定だった。それでも9番パー5。残り130ヤードからウェッジでの第3打はピンそば10センチへ。イーグル逃しのスーパーショットで今季最多の観客を沸かせるなど見せ場は作った。

 21年最高の2位。堅実なショットを武器に難設定になればなるほど存在感を発揮する“日本タイトルハンター”は、賞金ランク5位に浮上。「賞金王を目指したい」との大志も抱く。

 自身2度目の海外メジャー、全英オープンに向けて10日に渡英する。19年全英は予選を通過して72位。今大会は、雨の中で4日間戦い「この悔しさをバネに全英で頑張る。悪天候でのプレーは全英に向けてのいいステップになる」と稲森。“日本一曲がらない男”は天候が目まぐるしく変わるメジャーの大舞台で上位を狙う。(榎本 友一)

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