◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 第1日(13日、長野・軽井沢72G北C=6679ヤード、パー72)
賞金ランク首位の小祝さくら(23)=ニトリ=が8バーディー、ボギーなしで今季自己最少に並ぶ64で回り、8アンダーで今季初の単独首位発進した。同組で東京五輪銀メダリストの稲見萌寧(22)=都築電気=の活躍に刺激を受け、自己最長に並ぶ圧巻の6連続バーディーを奪い、2位に3打差をつけた。五輪後初戦の稲見は2バーディー、ボギーなしの2アンダー、70で16位スタート。
賞金女王を争う1学年下のライバルとの直接対決。気温16度と肌寒く感じる雨の中、小祝の心は熱く燃えていた。スタート時から多くの観客を引き連れ、迎えた12番だ。8メートルを沈めると、ここから一気に伸ばした。
17番パー3で第1打を20センチにつけ、自己最長タイでアマ時代を含めツアー3度目の6連続バーディーを記録した。「後半の6連続バーディーが大きかった。ショットもパットもどちらも調子がいい」。約202万円差の賞金ランク2位に迫る同組の稲見に対し、首位の貫禄を見せた。これには五輪銀メダリストも「パターが入って、すごかった」と脱帽するしかなかった。
オープンウィークの前週は地元・北海道で調整した。五輪をテレビで観戦し、「日本開催で重圧もある中、銀メダルはさすがだなって刺激を受けた。自分もこのままじゃダメだと思った」。自身は3月に2勝以降、最近は2ケタ順位が多くなっている。「萌寧ちゃんはずっと上位にいる感じだった」と、賞金ランク首位の座を守りながらも危機感を感じていたという。
「最近はショットが曲がっていた。どうにかしなきゃ」と、好調時のスイング動画を見て懸命に復調を目指した。「テイクバックの位置を少し浅くした」と修正を加え奏功した。64のスコアは今季自己最少に並んだ。注目組のプレーを「楽しかった」と振り返った稲見に対し、小祝は「最後まで集中が切れないよう、楽しむ感じではなかった」。対照的な2人がシーズン最後まで覇権を争いそうだ。(岩原 正幸)