田村尚之、5アンダーで首位発進…49歳でプロに転向、57歳でツアー2勝目狙う


初日を終えて首位に立った田村尚之(日本プロゴルフ協会提供)

初日を終えて首位に立った田村尚之(日本プロゴルフ協会提供)

◆男子プロゴルフシニアツアー ▽ファンケルクラシック 第1日(20日、静岡・裾野CC=7040ヤード、パー72)

 前回大会(19年)でプレーオフの末に敗れた田村尚之(57)=ダイクレ=が、7バーディー、2ボギーの67で回り、5アンダーで首位スタートを切った。初出場の2014年大会からタッグを組む元ハウスキャディーを“復帰”させ、ツアー2勝目を狙う。水巻善典(62)=鳴尾GC=は、教え子の女子プロテスト1次予選に集中しつつも、1打差の3位で好位置につけた。

 田村はキャディーとの二人三脚で18ホールを終えた。後半は1ホールを除いて全てでグリーンを捉え、4バーディー、ボギーなし。「ショットは一番いいときに近い」と手応え十分。乱視によって悩まされたパットもキャディーの助言で次々と決まり、スコアを着実に伸ばした。

 14年から7大会連続出場中の田村は、裾野CCのハウスキャディーだった鈴木美穂さんとタッグを結成。2年ぶりの開催となったため、鈴木さんは結婚して退職していたが、田村からの“ラブコール”もあって復帰。グリーン上では「カップ1個分左」などと的確なアドバイスを受けて、パットも精度を増した。

 田村は会社員として働きながらゴルフを続け、49歳でプロに転向した異色の経歴の持ち主。過去に胸椎の黄色じん帯骨化症を患い、13年のプロテスト合格後に手術をしたが、2年前から再発した。現在も背中の痛みを抱える57歳は「試合中も三島から新幹線で品川まで行ってマッサージを受ける」と体と向き合う。「まだ2日あるので、明日もとにかくキャディーさんの言う通り、信じて打つだけ」と二人三脚での完走を誓った。(菅原 美沙)

 ◆田村 尚之(たむら・なおゆき)1964年6月24日、広島・廿日市市生まれ。57歳。5歳からゴルフを始め、修道中、修道高を経て東京理科大に進学。一般企業に就職。その後もアマチュアとして経験を重ね、石川遼が出場して話題となった07年の日本アマ選手権では、マッチプレーで5日間154ホールを戦い準V。13年にプロテスト合格。16年の富士フイルム選手権でシニアツアー初優勝。172センチ、65キロ。

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